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世界最高峰での経験。中国で福原はタフになる。 

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藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2005/07/07 00:00

 中国スーパーリーグ(超級)の遼寧省チームに入団した卓球の福原愛(グランプリ)が頑張っている。中国のプロ卓球は超級、甲A、甲B、乙A、乙Bの5部に分かれ、最高峰の超級には男女各12チームが所属している。各チームは5人(試合に出るのは4人)で構成され、6月5日の開幕から12月までに総当たり2回の計22試合を行う。試合はシングルス2、ダブルス1、シングルス2試合の順に行われ、3勝した方が勝ちとなるが、福原は5日の開幕戦で世界選手権シングルス3連覇の王楠と組んでダブルスに出場。3―1とデビュー戦を飾った。その後も同じペアでダブルスに出場し、第4戦を終えた時点で2勝2敗と、まずまずのスタートを切った。強豪の遼寧省チームは簡単に3試合を連取してしまうことが多く、第5試合に予定されている福原のシングルスはなかなか実現しないが、とりあえずここまでの成績は十分に合格と言っていいだろう。

 世界最高峰と言われるリーグで戦うことは、それだけでレベルアップにつながる。ペアを組む王楠は世界選手権3連覇、五輪でもシドニーで2冠、アテネでダブルス優勝のスーパースターで、その一挙手一投足は最高の生きた教材になる。だがさらに大切なのは「経験」だ。2008年の五輪は北京で行われる。いまだに反日感情が強い“敵地”でメダルを狙うためには、強靭な体力とタフな精神力がいる。それらを身につけるには、実際に現地で生活し、試合をするのが一番なのは言うまでもない。

 現地から伝わってくる報道を見る限り、福原の存在は中国のファンにも好意的に受け止められているようだ。もともと福原は遼寧省を練習拠点にしていて、昨年は甲級のチームでもプレーした。中国語も上達し、現地では通訳なしで堂々とテレビのインタビューにも応じている。ただ、遼寧省のファンにはお馴染みでも、アウェー地域などではまた反応が違うだろう。優勝争いの中では激しいブーイングにさらされることもあるかもしれない。その過酷な環境に耐え、なおかつ自分の力をすべて発揮できるようにならなければ北京でのメダルはない。

 今はむしろどんどん負けた方がいい。悔し涙の数が多ければ多いほど、それだけ福原は強くなるはずだ。

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