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日本スケート連盟新会長、橋本聖子氏への期待。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

posted2006/07/04 00:00

 日本スケート連盟の新会長に、参院議員の橋本聖子氏が就任した。橋本氏はスピードスケートと自転車の選手として活躍。'84年サラエボから'96年アトランタまで冬夏合わせて7度も五輪に出場した。'92年アルベールビル五輪のスピードスケート女子1500mでは銅メダルを獲得し、'95年に参議院議員自民党比例区代表で初当選を果たした。資金流用疑惑に揺れる連盟の再建にはまさにうってつけの人材だろう。

 今回の不祥事が発覚したのは3月のことで、久永勝一郎元会長らを中心とする国際事業委員会が'03年までの3年間で1億円の赤字を出していたことが判明。その後の調査で使途不明金が次々と明るみに出たため、理事8人が辞任するという騒動に発展した。その最中に新会長に就任した橋本氏はまさに“火中の栗を拾う”格好になったが、就任会見では「引き受けた以上は人任せにするつもりは一切ない」と明言し、自らが先頭に立って改革を進めていく考えを強調した。

 橋本氏が打ち出した最初の改革は人事で、副会長の一人と専務理事のポストはしばらく空席とし、あらためて外部から招聘することとした。これは、選手や指導者出身の理事だけでは財政面の管理が行き届かず、それが結果的に一部の人間の独走を招いたことへの反省で、学識経験者を幹部に据えるものと見られる。更に、連盟の財政を安定させるために新たなスポンサーの獲得にも意欲を見せた。財政を安定させ、情報をすべて公開することによって連盟全体の透明性を高めるのが目的で、そのためには橋本氏のネームバリューが大きな意味を持つ。組織の改革と並ぶ重要課題である競技力向上では、4年後のバンクーバー五輪対策に積極的に取り組む。スケートにはスピード、ショートトラック、フィギュアの3種目があり、これまではそれぞれが独自に活動していたが「私は現場主義の人間」という橋本氏は、各種目の垣根を取り払い、実際に現場で選手や指導者の声を聞くことでやる気を引き出すつもりでいる。

 再建への道は決して平坦ではない。当然、橋本氏の改革路線に反旗をひるがえす者が出ることも予想される。そうなった時にひるむことなく、改革を断行できるかどうか。今こそ、政治家としての強い意志と手腕を発揮する時だろう。

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