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ノア7.10東京ドームはプロレスを救えるのか。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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posted2004/05/20 00:00

 耳を劈(つんざ)くような歓喜の渦の中。

「プロレスファンのみなさんに、プロレスの力というものを見せることができたと思います」

 王者・小橋建太の勝利インタビューだった。ひと呼吸おいたその汗まみれのマイク・アピールには、プロレスの置かれている状況と立場やノアの現状を伝えるパッションが凝縮されていたような気がする。プロレス一途の男には、このボディ・ランゲージしかなかったのだ――。

 三沢ノアの4・25日本武道館。小橋が高山善廣(フリー)を破り、V8を果したGHCヘビー級決戦での光景だ。

 この日、東京・千代田区の北の丸公園は入場を待つ観客で溢れ、地下鉄・九段下駅から田安門に続く坂道までその列は途切れることなく続いていた。7・10東京ドーム初進出、小橋 vs. 秋山準の頂上対決が決まったばかりの武道館はいつもと違う熱気に包まれた。

 これまでビッグイベントの度に、K-1、PRIDEの興行とバッティングしているノアの大会。この日もPRIDEのさいたまスーパーアリーナとぶつかりながら、1万6700人(主催者発表)の観客を動員。仲田龍渉外部長は超満員のスタンドを見上げ、「ウチはよその興行とまったく関係ないよ。ドームの小橋 vs. 秋山が決まったことが大きい。その手応えもすこぶるいい。次はこの2倍の観客を入れられる」と自信と意欲がみなぎる。

 ノアの人気を支えるのは、三沢、小橋、秋山らのヘビー級トップばかりではない。金丸義信(27)、丸藤正道(24)、KENTA(23)、橋誠(27)、鈴木鼓太郎(25)、眼球障害で欠場している杉浦貴(33)らジュニアヘビー級の若い選手もいる。ノア常設のディファ有明や後楽園ホールのリングサイドには若い女性が目につく。「新日の観客は男が女を引っ張ってくる。ここは女性が男を連れてくる」。専門誌のベテラン記者はそう解説する。

 ノアの会場には年齢層に関係なく安心して足を運ぶことができる。明るく、楽しく、激しいかつての全日の風景のようだ。

 新日の5・3ドームの観客動員数は5万人。好むと好まざるとにかかわらず比較されるであろうノアのドーム初興行はその数を超えられるのか。トップ三沢の対戦カード発表でまた一段と話題を集めそうだ。

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