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スポーツ界で活発化する
環境問題への取り組み。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2009/07/29 06:00

スポーツ界で活発化する環境問題への取り組み。<Number Web>

鹿島DF後藤も参加した廃食用油回収。「スポーツのエコ・プラスバリュー」調査研究の一環

 6月20日、Jリーグの鹿島アントラーズ対ジュビロ磐田が行なわれたカシマサッカースタジアムで、一つの試みが形となった。食用油を精製して作られたバイオディーゼル燃料でユニフォームやスパイク等を運搬するチームトラックを運行したのである。

 もととなった食用油は、クラブの呼びかけに応じたサポーターが、5月10日の試合でスタジアムに持ち寄ったもの。373世帯から336リットル(市販の600g入りボトルで約560本分相当)が集まったという。ガソリンではなくバイオディーゼル燃料を使うことで二酸化炭素(CO2)削減につながるうえ、不要となった油の回収で環境汚染の防止にも役立つ、という狙いから実施されたプロジェクトである。

 環境問題に取り組むのは、鹿島にとどまらない。Jリーグでは、この数年来、各クラブの積極的な動きが目立っている。5月10日に鹿島と対戦した清水エスパルスもそうだ。昨年1月にはJのクラブで初となるCO2排出権購入に踏み切っている。昨年8月のジュニアユースU-14チームのブラジル遠征に際しては、水力発電所の見学や現地の人々との交流などを実施。選手たちは、環境を守ることの大切さを実感したという。他のクラブでも、自治体や企業と連携して、スタジアムへのマイカップ持参の推進、カップや食器の再利用、公共交通機関利用の促進などを行なっている。

プロスポーツ界が環境問題に取り組む意義とは。

 Jリーグばかりではない。プロ野球でもまた、環境問題への取り組みが活発になっている。球界全体のテーマとして取り組む試合時間短縮の促進、選手会が温暖化防止を訴えるイベントを開催。それぞれの球団でも、折れたバットから箸などの製造で再利用を図ったり、植林活動、エコバッグ配布など、さまざまな取り組みが始まっている。

 地域密着を理念とするJリーグはむろん、プロ野球にしても、プロスポーツは、実は地域企業の協賛を受け、応援してくれるファンやサポーターなど地域住民の支援のもとに成立している。つまりは地域の公的な存在だといえる。

 とすれば、人々の関心事であり重要な課題とされている環境問題に取り組む責任も大きい。そしてさらに認知を広める意味でも彼らの活動は重要なのである。

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