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サンズが越えられない、
宿敵スパーズの高い壁。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2008/05/15 00:00

 フェニックス・サンズにとって、今シーズン最大の命題は、1年前、宿敵サンアントニオ・スパーズとのカンファレンス・セミファイナルの対戦で残してしまった「もしも」の答えを見つけることだった。

 もしも第1戦でスティーブ・ナッシュがトニー・パーカーと衝突して顔面から出血していなかったら……。もし出血がすぐに止まり、大事な場面でナッシュがコートに立つことができていたら……。もしも第4戦終了間際、スパーズの体当たりファウルを目の前で見たアマレ・スタッドマイヤーとボリス・ディアウがベンチを離れたことで第5戦の出場停止処分を受けることがなかったら……。

 1年前、世の中の運すべてに背を向けられたかのように「もしも」の戦いに敗れ、シリーズを2勝4敗で落としたサンズにとって、やり残した仕事を片付けるためにも、今シーズンはバスケットボールの勝負に勝ちたかった。だからこそ、プレイオフの組み合わせが決まり、1回戦からスパーズと対戦するとわかったときも、「我々もファンも求めていたこと。去年の続きだ」(マイク・ダントーニHC)と、そのチャレンジを歓迎した。

 シリーズ1戦目は期待に違わぬ接戦となった。サンズは敵地サンアントニオで終始主導権を取り、上々のスタートを切るはずだった。だが、試合の終盤、肝心な場面で攻守にミスが続き、オーバータイム2回の末に初戦を落としてしまった。

 「何度も僕らが勝っていた試合だっただけに残念だ」とナッシュは肩を落とした。

 その後2戦目、3戦目と立て続けに落としたサンズに、1年前のような「もしも」の言い訳はなかった。スパーズの超高速ガード、トニー・パーカーをディフェンスが止められず、得意の速攻でも精彩を欠いた。対スパーズの最終兵器として獲得したはずのシャキール・オニールは苦手なフリースローを決められず、新戦力として期待されたベテランのグラント・ヒルは故障で苦戦していた。

 結局サンズは1勝4敗で敗れ、またもスパーズの壁の前にシーズンを終えた。後に残ったのは昨季以上の後悔と反省。この先、スパーズを乗り越え、究極の目標である優勝を果たすために、いったい何をしなくてはいけないのだろうか。

 また、自問自答の夏がやってくる。

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