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宿敵オーストラリアが直面する“ある問題”。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2006/10/12 00:00

 ドイツW杯でベスト16に入ったことで、オーストラリアのサッカー熱が急上昇している。代表の試合は常に満員で、10月2日にはW杯戦士がヨーロッパから凱旋帰国して大騒ぎになった。W杯で全試合にフル出場したMFクリナは、この盛り上がりを喜んでいる。

 「今までオーストラリアでサッカーをやってるなんて言ったら大笑いされたけど、W杯後にはみんなからリスペクトされるようになった。サッカーは、国内で4番目のスポーツにすぎないけれど、もっと地位があがるはず」

 W杯後に名将ヒディンクが去ったのは痛いが、コーチだったアーノルドが暫定監督に昇格。アーノルドは「ヒディンク・スタイルを継続するのが仕事」と語っており、チームの完成度を高めるつもりだ。オーストラリアは今年からアジアサッカー連盟に加入しており、まずは来年のアジアカップ出場が目標になる。「国内でサッカーの地位を高めるために、みんなアジアカップを重要視している。また日本と対戦しても勝ちたいね(笑)」とクリナは言う。

 ただ、オーストラリアにとって、大きな問題になるのが“欧州組”の扱いだ。オーストラリアの主力の90%がヨーロッパでプレーしており、予選のたびにいちいち帰国してられないのである。なんせロンドンからシドニーまで24時間もかかる。今まではヨーロッパで親善試合を組んで強化してきたが、今後はアジアでの試合が増えざるを得ない。すでにオーストラリアはアジアカップ予選で、移動の疲れも影響してクウェートに0対2で負けてしまった。

 日本にとっても他人事ではない。ドイツW杯予選では、欧州組のコンディションの悪さが苦戦した原因のひとつだった。さらに無理な移動で選手が疲弊して、所属クラブでレギュラーを失うという悪循環にも陥った。オシム監督は当面、欧州組を呼ばないことで対処しようとしているが、彼らの力が、必要な状況はいずれやってくるだろう。

 アジアサッカー連盟のカレンダーを見ると、ヨーロッパのリーグの日程を無視していることがしばしばある。ここはオーストラリアと組んで、欧州組を招集しやすい環境を作るようにアジア連盟に働きかけてはどうだろうか。

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