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全米が注目する2年連続
サイ・ヤング賞のお値段。
~65万ドルから2300万ドルへ!!~ 

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津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2009/12/10 06:00

全米が注目する2年連続サイ・ヤング賞のお値段。~65万ドルから2300万ドルへ!!~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

15勝(7敗)での受賞は先発投手としては史上最少だが261奪三振や安定感が評価された

 MVPや最優秀監督など今年も各賞の発表が終わった。

 そんななか、ナ・リーグのサイ・ヤング賞にティム・リンスカム(ジャイアンツ)が、史上8人目となる2年連続受賞を果たした。

 初受賞した昨季よりも、防御率、被打率、与四死球などで成績がさらに向上。一方で受賞前には、マリファナ所持も発覚し「間違いを犯した。プロとして今後もっと自分を律したい」と謝罪するなど、何かと話題を呼んだ受賞会見になった。

 実はそのリンスカムが、このオフさらに話題を席巻しそうなのである。来季の年俸交渉が不調だと調停を申請する可能性が高く、要求額2300万ドル(約21億円)を基本線にする議論がすでに内々で交わされたとの噂も。これは現時点で投手最高年俸のサバシア(ヤンキース)の金額がベース。もしも実際に申請すれば、今季わずか65万ドルだったリンスカムの要求が、'05年クレメンス(当時アストロズ)の2200万ドルを抜いてメジャー史上最高の調停希望額となる。

マダックス、クレメンスらと並ぶ最高の投手の値段とは。

 25歳のリンスカムがFAの資格を得るのは3年後。そんな若手としては、ハワード(フィリーズ)が昨年1000万ドル、今年は1800万ドルを要求した例もあるが、メジャー経験3年のうち2年連続で最優秀投手の称号を獲得し、コーファックス、マダックス、クレメンス、ジョンソンら錚々たる面々に名前を連ねただけに、ハワードと比較しても交渉額が破格となるのは間違いない。サビーンGMは「私自身の経験でも野球界においても過去にこんなケースは皆無。選手会やMLBも強い関心を示している」と言ったが、その活躍をどこまで評価するかがポイントとなりそうだ。

史上最高額の調停年俸額か破格の長期契約か?

 リンスカムの代理人は地元紙に「1年契約の方針」と打ち出したが、6年1億ドルとも噂されているように、今後の伸びしろと年俸高騰を考慮して、球団側が調停回避して長期契約を申し出る可能性もある。ただジャイアンツには、過去に7年1億2600万ドルの契約後にお荷物化したジトのケースもあり、先発を長期で囲い込むリスクも否定できない。

 史上最高額の調停か、あるいは破格の長期契約か。不況が長引く影響で、今オフのFA市場は例年に比べてスケールダウンだが、リンスカムがストーブリーグを派手に牽引することになりそうだ。

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