SCORE CARDBACK NUMBER

ロッシ独走の陰で着々と進む世代交代。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

posted2005/07/21 00:00

 MotoGPクラスのM・メランドリが、素晴らしい走りを見せている。7戦を終えて4回の表彰台。念願のMotoGP初優勝も目前に迫っている。メランドリは、2002年にアプリリアで250ccチャンピオンになり、'03年に最高峰クラスにステップアップした。過去2年はヤマハから出場していたが、今季、ホンダに移籍して大ブレイク。ヤマハのV・ロッシが7戦6勝と連勝街道を驀進する中で、いまや、ロッシに対抗するホンダのエースとして周囲の注目を集める存在となった。

 低迷した昨年は、シーズンを終えてもなかなかシートが決まらなかった。それだけ周囲の評価も厳しかったのだが、S・ジベルノーのチームメートとして「テレフォニカ・モビスター・ホンダ」に移籍できたのは、22歳という若さと250ccチャンピオンの実績を買われてのことだった。メランドリはその期待に見事に応えたことになる。

 ここまで好調の理由を、メランドリはシーズンオフに行った徹底的な走り込みの成果だと語っている。ベースのセッティングでタイムを気にせず、黙々と周回をこなした。もっとも重要なメニューのひとつであるタイヤテストでも、レースを想定したロングランを率先して行った。それができたのは、誰が乗っても速く走れると評価される、ホンダのMotoGPマシンRC211Vを得たことが大きいが、メランドリは表彰台に立つ毎に速さと強さに磨きを掛けているようだ。

 先日の第7戦オランダGPでは、ロッシに続いて2位。依然として力の差をまざまざと見せつけられるレースだったが、ファステストラップを刻んで逃げる王者ロッシに執拗に食い下がり、最後までピタリとマークすることに成功していた。レース後、メランドリは「その速さの秘訣を見た」と語った。若い選手にとって100%というのは、常に変化していくものだということを痛感させてくれる出来事だった。

 いまMotoGPクラスは、メランドリを筆頭に、N・ヘイデン、J・ホプキンスなど、若い選手の元気ある走りが注目を集めている。「ロッシvs.打倒ロッシに燃えるベテラン勢の戦い」の構図は、着実に「ロッシvs.若手」へと変化を遂げようとしている。

関連キーワード
バレンティーノ・ロッシ

ページトップ