SCORE CARDBACK NUMBER

賞金女王・横峯さくらの
ターニングポイント。
~諸見里との勝負の分かれ目~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byKYODO

posted2009/12/11 06:00

最終戦最終日で逆転し、今季通算6勝目。史上最高賞金額となる1億7501万円を獲得した

最終戦最終日で逆転し、今季通算6勝目。史上最高賞金額となる1億7501万円を獲得した

 最終戦で逆転賞金女王に輝いた横峯さくらが「やっぱり未熟です」と大粒の悔し涙を流していたのは、10月初旬の日本女子オープンでのことだった。最終日に65のビッグスコアを出して、宋ボベに追い付き、プレーオフに持ち込む。だが、その1ホール目、入れれば優勝という4メートル足らずのパッティングを、わずかに外した。

「実は、キャディとの意見の食い違いがあって……。でも、最後は自分が決めたライン通りに打とうと思ったのですが」

 迷ったままの1打で敗れたのである。

 横峯は、今季4月から6月までに3勝し、早くから賞金女王を意識していた。ところが、それが「変なプレッシャー」となって襲いかかり、9月のマンシングウェアレディース東海クラシックまで未勝利の期間が続いた。

「賞金女王を獲りたいという思いより、少しでも自分のゴルフを成長させたいという気持ちを持ち始めたんです」

最後までデッドヒートを演じた横峯と諸見里を分けたものとは?

 2009年シーズンの女子プロゴルフ界は、熾烈な戦いだった。序盤は横峯が走る。諸見里しのぶが追随し、リードする。そこに有村智恵が迫る。今季5勝の有村は、宮里藍の2年後輩(東北高校)で、宮里の活躍に刺激を受けてプロ転向した人気急上昇の22歳の選手である。

 一方、諸見里は、今季6勝を果たし、最終戦のツアー選手権リコー杯を残して賞金女王の座を死守していた。

 逆転劇のターニングポイントは、9月中旬のマンシングウェアレディース東海クラシックであろう。横峯はそこで優勝し、メンタル面で変化を遂げると同時に、その後さらに2勝を果たした。諸見里は逆に、それ以降勝ち星がなくなった。横峯と有村の急追で、心が動揺したことも原因のひとつだと思う。

積極果敢に攻める若手プレイヤーが女子プロ界を牽引する。

 賞金ランクの上位を20代前半のプレイヤーが独占したことからもわかるように、いまの女子プロ界は、若手が際立って強さを見せている。それと共に、彼女たちのスタンスが、スコアを守るゴルフから攻めるゴルフに変わってきた。

 優勝に近づくために「ビッグスコアを出す」という場合、昔は68前後だったが、いまは65を指している。それだけアグレッシブなゲームが毎週繰り広げられているからこそ人気が出て、ギャラリーの数も増えているのだろう。

■関連コラム► 諸見里vs横峯、賞金女王はどっちだ? (言わせろ!ナンバー 結果レポート)
► 賞金女王を大逆転で手にした古閑の強運。 (08/12/18)

ページトップ