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中村俊輔の新しい相棒は
サボりがちの“ドン”。 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2009/08/28 06:00

中村俊輔の新しい相棒はサボりがちの“ドン”。<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

心臓発作による主将ハルケの急死で沈むチームを、“坊主とナカ”は救うことができるか

 どのサッカーチームにも、ドン的な選手は存在する。

 中村俊輔が移籍したリーガ・エスパニョーラのRCDエスパニョールにも、例に漏れずチーム内にはドンがいる。スキンヘッドの元スペイン代表MF、イバン・デラペーニャがその人だ。

 名門バルセロナで頭角を現し、かつて全盛期のロナウドに「一番プレーしやすい選手」と言わせたほどの天才MFである。エスパニョールでも完全にチームの中心に居座っている。

 ドンであるデラペーニャには、監督もコーチも何も言わない。彼は実に様々な理由をつけ練習をサボることが多い。地元記者曰く、「シーズン中も練習はほとんどしない」。それでも試合の決定的な場面に必ず彼の姿があるのは驚きだ。最大の武器は絶妙のタイミングで通すスルーパス。パス能力の高さはリーガでも有数で、この武器一つで長年生きてきた。それも周囲に一目置かれる理由だろう。

中村に過去の自分を重ね合わせる“ドン”。

 そんなチームのドンが新加入の中村のサポート役を果たす姿が、地元メディアで話題になっている。

 中村はイタリア語を話すが、チームメイトでイタリア語が話せるのは、セリエAのラツィオでプレー経験のあるデラペーニャのみ。練習でも試合でも、2人が会話を交わす光景をよく目にする。お気に入りのレストランに食事にも誘うなど、ピッチ外でも色々と気を使っているようだ。

 地元紙は新たに生まれたこのコンビを“坊主とナカ”と称している。

 ラツィオ時代、デラペーニャは新天地に上手くなじめず、結局バルセロナへと戻った。そんな海外での苦い経験を経ているので、スペインにやってきたばかりの中村を見て、思うところがあったのかもしれない。

“坊主とナカ”の連携は「ヤット(遠藤)との関係みたい」。

 親善試合のリバプール戦、この二人は中盤でのパス交換など、ピッチ内での連携の良さも見せた。

 中村も「日本代表でのヤット(遠藤)との関係みたい。やりやすいし、できるだけ近くでプレーしたい」と相棒の誕生を喜んでいる。

 監督がどのような起用をするかはリーグが始まらなければ分からないが、今季のエスパニョールの鍵を握るのは“坊主とナカ”かもしれない。

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