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新天地のアプリリアで、中野が上々の滑り出し。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2008/12/18 00:00

新天地のアプリリアで、中野が上々の滑り出し。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 モトGPからワールドスーパーバイク(WSB)にスイッチした中野真矢の初テストが、11月下旬、スペインのバレンシアで行なわれた。モトGP最後のレースとなった最終戦バレンシアGPから約1カ月、同じサーキットでのWSBデビューだった。

 中野は、ホンダ・グレッシーニから、7年ぶりにワークスチームを復活させるアプリリアに移籍した。市販車をベースにするWSBはFIMの認定を取らなければならず、アプリリアはWSB復活に向けてV4エンジンを搭載する「RSV4」を急ピッチで作り上げた。

 アプリリアの場合、日本のメーカーのように、市販車がまずありきでレース用バイクが誕生するのではなく、レース用バイクを作り、それをベースに市販車が生まれていくという手法を取っている。そのためにマシンのレベルは高く、中野はシェイクダウンしたばかりのマシンで、バレンシアのWSBクラスのレコードラップの0.2秒落ちという素晴らしいタイムをマークした。

 しかし、レース専用車のモトGPマシンとWSBマシンの違いは決定的で、「同じサーキットで乗り比べることになり、モトGPとWSBの違いが良く分かった。モトGPは800ccだが圧倒的に速かったし、限界を探るのが大変だった。反対に1000ccのWSBはすべての面で限界が低かった。もうこれ以上いけないというポイントが分かりやすい。モトGPとは違う難しさを感じた」と、中野は語った。

 タイヤはピレリのワンメーク。バイクのパフォーマンスがタイヤの性能を上回っているために、勢いだけでなく、ライダーの経験が活きるカテゴリーである。中野のファーストインプレッションは、T・ベイリス、T・コルサー、芳賀紀行、M・ビアッジなど、モトGPを経験してきたベテラン勢の活躍の要因を裏付ける格好になっていた。

 来年はアプリリアに加えBMWも新規参入の予定で、従来、日本の4メーカーとドゥカティによって争われてきたWSBは、一気に7メーカーの戦いへと発展する。

 モトGPに人気も話題も独占されてきたWSBの反撃と、中野の新たなチャレンジに注目したい。

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