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7年ぶりに味わう、プレイオフの喜び。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2007/05/03 00:00

 スポーツ選手にとって、7年の年月はとても長い。7年前に27歳だったグラント・ヒル(オーランド・マジック)も今では34歳、ごく短く刈られた髪は一見当時から変わっていないように見えるが、実は男性用白髪染めを使うようになったのだという。

 7年前の2000年夏、ヒルは6シーズン在籍したデトロイト・ピストンズを離れ、7年間9288万ドルの契約でマジックに入った。同じ夏にトレイシー・マグレディも加わり、マジックは一躍優勝争いができるチームになるはずだった。

 しかし、その直後からヒルは憑かれたように故障続き。この7年の間に左足首の手術を5回、さらに昨シーズンにはスポーツヘルニアの手術も受けた。そのため、マジックに移ってから昨季までの6シーズンで出場したのはわずか135試合。全部あわせて2シーズン分にも満たない試合数だ。毎年4月1日より後までプレーしていたこともなかった。ヒルを欠くマジックは優勝争いどころか、プレイオフに進出したのも最初の3シーズンだけ。しかもすべて1回戦敗退だった。

 そのヒルが、今季はシーズン最後の週までユニフォームを着て試合に出ている。「他の人から見たら別にどうっていうことのないことかもしれない。でも僕にとっては、これだけやれているのはすばらしい気分だ」とヒルは言った。

 シーズン終盤の4月15日、マジックはプレイオフ進出を決めた。マジックにとって4年ぶり、そしてヒルにとっては7年ぶり、マジックに入って初めてのプレイオフ出場だ。7年前には、毎年当たり前のように出るだろうと思っていたプレイオフ。苦労しただけに、今一度その場に立って戦えるということが嬉しかった。

 それに、ヒルにとってこのプレイオフがユニフォームを着る最後の日々となるかもしれない。7年前の契約がこの夏で切れることもあって、引退も考え始めているのだ。

 この7年、ヒルは故障に悩まされながらも、途中で投げ出すことなく、選手として復帰するための努力を続けてきた。

 「この7年で学んだことは、どんなに困難なときでも起き上がらなくてはいけないということだ」とヒルは言う。「まだこうやって立っていて、めげずにプレーしているということが嬉しい」

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