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2016年のオリンピックに
向けた新たな取り組み。
~女子7人制ラグビーの才能発掘~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byNobuhiko Otomo

posted2009/12/23 08:00

左が冨永。右の中田は年末の花園大会の高校女子7人制エキシビションマッチに出場する

左が冨永。右の中田は年末の花園大会の高校女子7人制エキシビションマッチに出場する

「ラグビーボールには小学校の授業で一、二度触ったことがあります」

 福岡からやってきた中学1年生、冨永美虹衣(みにい)は笑顔で話した。小4のとき、五輪選手育成を目指す福岡県のタレント発掘事業で才能を見出され、小6では陸上100mで県大会に優勝し、これまでテニス、フェンシングにも取り組んできた。そんな少女が11月22日、7人制ラグビーの五輪種目正式採用を受け、東京のナショナルトレセンで開催された第1回セブンズアカデミーに参加していたのだ。

「走るのが好きなんです。ラグビーは怖いイメージがあったけど、パソコンで調べて7人制はスピーディーなスポーツだと知って、やってみたいと思いました」

 八戸から始発の「はやて」で駆けつけた高校2年生の中田妃星(ひかる)は、無差別級の青森県新人戦に優勝した柔道家で、小学2年から八戸ラグビースクールで男子とともに楕円球を追ったキャリアも持つ。

「柔道はあくまでラグビーのためになると始めたんです。一番好きなプレーはタックル。プレースタイルは侍バツベイ選手が憧れ」と赤いほっぺで話した。

陸上に柔道……才能はどこに眠っているか分からない。

 今回のアカデミーには小5から高3まで、東福岡の布巻峻介、桐蔭学園の松島幸太朗らすでに花園で活躍したエリート候補も含む男女62名が参加した。

「オリンピックでメダルを取るためには、今ラグビーをやってる選手はもちろん、やってない子にも来てもらって、日本で最高のセブンズ選手を揃えられるよう育てていかないといけない。このまま15人制の貯金でやっていたら、アジアでも勝てなくなる」

 岩渕健輔7人制日本代表コーチ兼日本協会ハイパフォーマンスマネージャーはそう話す。当日は東アジア大会を控えた7人制男子代表、前女子代表主将のアンジェラ・エルティングも受講者と一緒に練習。「チャレンジでも、憧れでも、凄いなという驚きでもいい。何かを感じてほしい」(岩渕)というのが狙いだ。

目標は金メダル! ラグビー界に新風を呼び込む若き情熱。

 初練習を終えた冨永は「団体スポーツっていいですね。失敗しても励ましてくれる人が多いから気持ちが強くなれる」と笑顔を見せ、「目標はオリンピックで金メダルを取ること」と言い切った。布巻は「日本代表になれたら世界を倒したい」と目を光らせた。若さの持つ無限のエネルギーよ、ラグビー界に新風を運べ。

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