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比類なき“追撃戦”若き2人が鈴鹿で輝いた。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2005/10/27 00:00

比類なき“追撃戦”若き2人が鈴鹿で輝いた。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 速さこそすべて──。K・ライコネンが、17位グリッドから“センセーショナル・ウィン”を飾った日本GP。奇跡的な大逆転シーンが53周レースの最終周、1コーナーで演じられた。

 彼はこの周回を1分33秒161で走っている。44周目にはファステストラップとなった1分31秒540をマークしているから、1秒621も遅いタイムである。抜くことだけに集中し、じっくりコックピットから前方1位G・フィジケラの動きを見極め1コーナーでアウトサイドからかわしていった。

 レース終盤、1位フィジケラは1分33秒台ペースを保つのがやっと、追いつめられているのはよく分かっていたが、この勝負どころで対抗する力がもはやマシンパッケージのどこからも湧いてはこなかった。

 最高速を伸ばす空力特性セッティングで臨んだマクラーレン・チーム。ライコネンは決勝レースにおいて、3カ所ある通過速度計測ポイント上すべてでトップスピードを記録。デグナー・コーナー手前105mで301.7km/h。130R手前240mで328.6km/h。メインストレート・コントロールラインで304.2km/h。鈴鹿のこの3カ所でいずれも300km/hを超えているのは彼一人だけである(2位スピードで迫ったのはF・アロンソ)。

 「悔しくてたまらない。今日はマクラーレンと同等の速さがあったのだから」と3位ゴールに終わったニュー・チャンピオン。3位グリッド・スタートのフィジケラは太刀打ちできなかったが、16位からスタートしたアロンソは中盤までライコネンを抑えていた。21周目には1分31秒599で走り、ライコネンと0.059秒差の自己ベストラップも出せた。彼が言うように同等の速さはあったのだ。敗因はピットストップのタイミングと、終盤に伏兵M・ウェバーによって6周抑えられたこと。それでも130Rや1コーナーで自由自在にマシンを操り、オーバーテイク・ショーをあちこちで披露。欲を言えばライコネンとアロンソ、トップ2直接対決を見てみたかったが、ふんだんにバトルが楽しめた。

 2005年“ベスト・オブ・ザ・イヤー”に値するレースを鈴鹿で15万6000人が目撃した。

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