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独断と偏見で選ぶ、'06年ボクシング大賞。 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2007/01/11 00:00

 年末恒例の'06年表彰選手の選考は、すでに担当記者による投票結果が出ているはずである。筆者の1票は、MVPは長谷川穂積、最高試合は長谷川―ウィラポンの再戦に入れるつもりだが、さてどんな結果になっているやら。

 ここでは公的な賞とは別に、筆者の独断と偏見により、この1年間に活躍した選手・関係者にこんな「特別賞」を贈りたい。最初はまっとうに──。

◇冒険&ドラマ大賞―クレイジー・キム。重量級世界ランカー、ママーニを地球の裏側アルゼンチンから招いたチャレンジ精神は大いに評価しよう。しかも勝利をほぼ手中にしながら、試合終了まで1秒残して不覚のダウン。10回3分9秒で逆転KO負けとはあまりに劇的な結末。

◇レコード大賞―エドウィン・バレロ。20戦全勝全KO(うち18連続1ラウンドKO勝ち)という驚異の戦績で世界王座に上りつめた。KO必至の戦法は一見ラフだが、実は理詰め。試合は全盛時のタイソンのように面白い。帝拳ジムと契約して、日本を拠点に戦う。どこまで記録更新なるか。

 ここからは少しくだけて──。

◇ハプニング大賞―小口雅之。試合中にかつらがポロリで、無名の地味なボクサーがすっかり有名人に。かつら着用のルール違反は大目に見てもらった。

◇最優秀ジャッジ―ガッツ石松氏。8月の“亀田戦騒動”で不思議な存在感を醸したが、賞の対象はその翌月、川嶋―ミハレス戦のテレビ解説を頼まれた際、「俺の採点を毎回発表させるなら」との条件付きで引き受け、川嶋の1ポイント負けは2人のジャッジとピタリ一致。視聴率2桁到達はこの人のおかげだ。

◇ディスカウント大賞―WBC他の世界タイトル認定団体。「承認料稼ぎ」と陰口をたたかれながらも、17階級の王者以外に暫定王者を次々と認め、タイトルの大安売りに貢献。今やチャンピオンの希少価値は望むべくもない。

◇ハングリー大賞―菊地奈々子。'05年タイの刑務所で囚人ボクサーに勝ち、日本人として初のWBC認定女子世界チャンピオン獲得。だが日本で防衛戦ができず、タイで1試合のみ。世界王者が特定の練習場を持たず、青空ジムでトレーニングするというのもすごい。ハングリーなのは女子ボクシングそのものか。

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