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岡田監督と本田圭佑の
サッカー観の隔たり。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byKiminori Sawada

posted2009/02/26 00:00

岡田監督と本田圭佑のサッカー観の隔たり。<Number Web> photograph by Kiminori Sawada

 2月11日のオーストラリア戦のメンバーに、本田圭佑の姿はなかった。1月下旬のバーレーン戦で久しぶりに招集されながら、岡田監督の期待に応えられなかったからだろう。

 しかし、ぶっつけ本番に近い形で臨んだバーレーン戦で、こういう結果になることはある程度予想できた。本田がフェンローでやっているサッカーと、日本代表のサッカーがあまりにも違うからだ。

 今季、オランダ2部において、本田は11ゴールをあげている(25節時点)。いったい、なぜか? 2部というレベルを差し引いてもあまりあるほどに、成長したものがあるからだ。

 それは“効率性”だ。

 フェンローにおける本田は、ボールの流れが拮抗しているときは、あまり無茶をしない。力をセーブし、“そのとき”が来るのを待つ。そして、得点の臭いが漂った瞬間、アクセル全開で危険なエリアに飛び込んでいくのだ。それがカウンターのときもあるし、何でもないクロスのときもある。とにかく目を引くのは、急激なテンポアップだ。

 プレーのメリハリを相当意識しているのでは? 1月中旬、フェンローのスタジアムで訊くと、本田はニヤリと笑った。

 「今季から、それを考えてプレーできるようになりました。全力と半分以下のときを。この環境に置かれたことで、サッカーの価値観が歴然と変わりました」

 本田は名古屋時代の話を引き合いに出した。

 「最近、名古屋時代にネルシーニョ監督が言っていたことを思い出すんですよ。『オマエが守備をサボったとしても、脅威を与えるプレーヤーになれば相手は上がって来られないぞ』と。たとえばウェズレイは守備をしないけど、相手は怖くて上がれない。俺が点を取れない選手なら必死に守備をするけど、そうではなく危険な存在になればいいと思っている」

 岡田監督がこのままハイプレスのサッカーを志向していけば、いつか効率性の問題に直面するはずだ。人間の体力は無限ではない。おそらく岡田監督は、そのことは計算済みでチーム作りを進めていて、W杯出場が決まった段階でチューンナップするのだろう。そのときこそ、“日本人らしく”なくなった本田が、重要なカードの一枚になるはずだ。

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