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オヤジたちが腕を競う、シニア・ツアーを侮るな。 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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posted2006/02/09 00:00

 現代のゴルフで最も重要視される要素は、パワー、つまり飛距離だ。いま世界ランキングの上位に顔を出している男性プロ選手の中で、身長が175cm以下の選手を探すのは難しいし、最大飛距離が300ヤード以下の選手は皆無といってよい。

 ボールとクラブの急激な進化は、アスリート的な色彩の濃い選手を生んでいる。筋力や柔軟性といった身体能力の高い選手が、進化した用具を使用することによって、より遠くへ、正確に、真っ直ぐボールを飛ばすようになっているのだ。

 だが、ゴルフの面白さは、決してパワーだけではないだろう。高いテクニックを持った選手が、パワープレーヤーを制することも大きな魅力であるはずだ。

 青木功にインタビューした際、米国で最も学んだことは「ゲームマネージメントだ」と語っていた。そして「それを特に意識するようになったのは、シニア(現・チャンピオンズ)・ツアーに入ってから」だとも。

 青木の指摘は興味深い。シニアという響きは、どうしても現役を引退したというイメージが付きまとう。だから日本では、シニア・ツアーは、かつての選手が、お遊び的にトーナメントに参加しているという印象を抱かれがちだ。だが、青木の言葉はそれを退けている。

 実際、米国では、男子のレギュラー・ツアーに次いで人気があるのが、このチャンピオンズ・ツアーなのである。年間33試合あるツアーには連日数万のギャラリーが集い、日本とは逆に女子のレギュラー・ツアー人気を大きく上回っている。

 人気の秘密は、出場する選手たちがパワーだけに頼らない巧みな技術を披露してくれるからだ。意図的にフックやスライスをかけた球筋。アプローチでも、ただサンドウエッジで上げるだけではなく、転がしなど引き出しが豊富だ。選手とギャラリーとの垣根が低いことも魅力で、名選手と身近に交流することができる。

 50歳以上の選ばれしゴルファーたちが集うチャンピオンズ・ツアー。今季からは新たに倉本昌弘と尾崎直道が挑戦する。倉本、尾崎、そして青木たちが参加するこのツアーに是非注目して欲しいと思う。名選手たちが織り成す「いぶし銀」の技の数々には、レギュラー・ツアーとは異なるゴルフの醍醐味が溢れている。

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