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カーワンが実現させた夢のチームとの対決。 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byShinsuke Ida

posted2007/05/03 00:00

カーワンが実現させた夢のチームとの対決。<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 リストを眺めるだけでにやけてしまう。“怪物”ロムーに“キング”スペンサー。スーパー12でクルセイダーズを最強軍団に導いたマーシャル、マーテンズのハーフ団。さらに東芝マクラウド、三洋ブラウンらトップリーグ組も加わり、選手21人の合計キャップ数は453に達する──5月に来日し、日本代表XVと2試合を戦うそのチームの名は“クラシック・オールブラックス”。漆黒の戦闘着で世界と戦うNZ代表の座こそ退いたものの、各国のトップクラブで円熟のプレーを続ける英雄たちの集団だ。

 このドリームチームの来日実現に奔走したのが、ほかならぬ日本代表HCのジョン・カーワンである。

 「日本ラグビーが本気で前進しようとしていることを世界に印象づけるのです」

 3月27日の会見でカーワンはそう言った。ドリームチーム招聘を決意したのは、昨年11月のW杯アジア予選を勝ち抜いた直後だった。何人かの選手には、自ら電話して出場を要請したという。

 「W杯で決勝トーナメントに勝ち進むためには、何か起爆剤になる、エキサイティングなマッチメークが必要だと思った。何しろ、カナダとフィジー、豪州とウエールズに勝たなきゃいけない。そのためには速いラック、スピードと敏捷性を活かした日本スタイルのラグビーで、このくらい強い相手と戦う必要があるんだ。もちろん、負けるつもりは一切ない」

 強気なだけではない。ジャパンの今季初陣は韓国、香港とのアジア3カ国対抗だが、力の差があるアジア勢とのオフ明けの対戦は、例年なら締まらない内容になりがち。だが直後にドリームマッチが組まれたことで、選手の意識は高まった。

 4月9日から千葉で始まった合宿では、主将の箕内拓郎、昨季主将の大野均を筆頭に、過酷なメニューに意欲的に取り組む選手の姿勢が目を引いた。「世界一速いDF!」「世界一低いスクラム!」と大声の日本語でゲキを飛ばすカーワンは、同時に臨時コーチとして豪州からフィットネス担当のマーティン・ヒューメを、NZからキック担当のマイケル・バーンを招聘。スパルタ式にも見えるメニューには、具体的な数値目標と技術指導が盛り込まれていた──。

 ついに動き出したJKジャパン。W杯初戦まで、あと4カ月半だ。

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