SCORE CARDBACK NUMBER

大山加奈に光明も、勝つ術は未だ見えず。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

photograph byTakao Yamada

posted2005/12/08 00:00

大山加奈に光明も、勝つ術は未だ見えず。<Number Web> photograph by Takao Yamada

 昨夏のアテネ五輪で最高潮に達した女子バレーボールの人気が、まだ続いている。11月15日から東京と名古屋で行われたワールドグランドチャンピオンズカップは、どの会場も超満員。サッカー日本代表のアンゴラ戦と重なった16日の韓国戦でも視聴率はサッカーの16.4%に対し、12.7%と健闘。あらためて関心の高さを証明した。だが肝心の成績は、初戦の欧州王者ポーランドにはセットカウント2―1とリードしながらフルセットの末、逆転負け。第2戦で当たった韓国はストレートで下したものの、舞台を名古屋に移した第3戦のブラジルには、1セットも取れずに完敗。続く第4戦の中国、最終戦の米国にもまったく歯が立たず、結局1勝4敗で5位に終わった。

 大会前、柳本監督は「6月のワールドグランプリで“変化”と“スピード”という骨格はできた。今回はそれに“高さ”をプラスしたい」と語った。その狙いに合わせ、チームに戻ってきたのが1m87cmの大砲、大山加奈だ。アテネ五輪でブレークした大山は、その後持病の椎間板ヘルニアが悪化し、今年3月から4カ月間はボールに触ることすらできなかった。それが1年3カ月ぶりに開幕戦で全日本のコートに立つと、190cmを超す選手をそろえたポーランドを相手に豪快なスパイクを打ちまくり、チーム最多の23得点を挙げた。しかしサーブレシーブから崩されたブラジル戦では、相手のブロックを突き破れず「2段トスを打ちきれなかった」と肩を落とした。

 「変化」と「スピード」は昔から体格に劣る日本バレーの根幹をなすもので、いつの時代も課題は「高さ」だった。そして残念ながら今回もまた、長年の弱点は克服できなかった。もちろん腰の状態がよくなれば大山の威力は増すだろうが、それでも世界のトップチームの、高くて強いブロックを突き破るだけの力はまだないだろう。本人がいう通り、サーブレシーブが崩された時にいかにスパイクを決められるかが、今後もポイントになる。

 スタメンの6人を固定するのではなく、選手の特性に応じてベンチも含めた全員で戦うのが柳本監督の基本戦術。3年後の北京を踏まえればそれでいいのだろうが、選手はやはり勝つことで成長する。戦力を試すことも重要だが、そろそろ勝つための戦いも必要なのではないか。

ページトップ