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清成龍一が手にした確かな成長の証。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2006/10/26 00:00

清成龍一が手にした確かな成長の証。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 英国スーパーバイク選手権(BSB)参戦3年目の清成龍一が、念願のタイトルを獲得した。

 清成と、2連覇を狙う元スーパーバイク世界選手権(WSB)トップライダーのG・ラビッラ。それに元GPライダーで地元の期待を一身に集めるL・ハスラム。最終戦までもつれ込んだ三つ巴によるタイトル争いは、断続的に雨が降り、2レース(BSBは1日2レース制)とも転倒者続出で赤旗が出るほど難しいコンディションとなった。

 事実上の勝負が懸かった第1レースでは、総合首位にいたラビッラが転倒で自滅。清成はハスラムの追撃を振り切り、トップでチェッカーを受け総合首位に浮上した。そして、3位になれば自力チャンピオンが決まる第2レースでは、確実な走りで2位。昨年は最終戦決着で敗れたが、今年はその雪辱を果たした。

 1年目はイギリスのサーキットに慣れることに苦悩した。2年目は最多PPと最多勝利を記録したが、チャンピオンにはなれなかった。今年は、シーズン序盤にマシンのセットアップに苦しんだ。そのために最速タイムを狙う余裕はなく、勝利数も去年より1勝少ない11勝だったが、タイトルを手に入れた。速いだけでは勝てない。そして、勝つだけではチャンピオンになれないという、レース界の教訓を実感として味わうシーズンだった。

 '02年に全日本でST600クラスのチャンピオンに輝いたときは、「何となく勝ってしまいタイトルを獲ったという実感がなかった」と語った。今回は最終戦決着というプレッシャーのなかで、攻めて、守るという100%の走りを強いられた。

 チャンピオントロフィーの重さは、プレッシャーに打ち勝った対価であり、それは大きな自信になる。清成は最終戦を前に24歳になった。BSB王者になったことで、MotoGPかWSBに参戦という期待もあったが、ホンダの方針で、来年はゼッケン1をつけて4年目のシーズンに挑む。チームメイトにはイギリスの若手No.1といわれる19歳のJ・レイが決まり、「僕にも初めて後輩が出来ました」と笑みを浮かべる。追う側から追われる側へ。「ひとつステップを刻めた」という清成にとって、来年は新たなる戦いが待ち受ける。それに打ち勝てば、間違いなく世界への扉が開かれるはずだ。

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