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混戦模様のモトGPに型破りのルーキー登場。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2008/05/01 00:00

混戦模様のモトGPに型破りのルーキー登場。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 開幕戦からモトGPの話題を独占しているJ・ロレンゾが、デビュー3戦目の第3戦ポルトガルGPで初優勝を遂げた。第2戦スペインGPでは、PPが記録されはじめた1974年以来初めてとなる、ルーキー2戦連続PP記録を達成。今大会ではそれを3連続に伸ばし、決勝リザルトでも史上最年少3戦連続表彰台記録を樹立した。

 15歳で125ccクラスにデビューしたときから、地元スペインでは大物ルーキーとして騒がれた。その後、250ccクラスで2年連続王座を獲得。ヤマハからモトGPクラスにデビューした今季は、YZR―M1の仕上がりが良く、またミシュランの攻勢も追い風となり、周囲も驚きのパフォーマンスを見せている。

 ロレンゾはあまりにも大きな態度で、ライダー仲間から嫌われてきた。最高峰クラスに上がっても、ルーキーらしい謙虚さは微塵もなく、チームメートのV・ロッシとは冷戦状態にある。同じスペイン人でホンダのエース、D・ペドロサとも確執を抱える。スペインGPでは、スペイン国王ファン・カルロス一世が、表彰台に立ったロレンゾとペドロサの手を取って握手させたことが話題になった。その後も、カワサキの暴れん坊、J・ホプキンスに中指を立てて頭をはたかれるなど、話題にはこと欠かない。その一方、コース上ではクリーンな戦いに徹し、豪快なウイリーなどファンサービスも旺盛。人気は急上昇中である。

 ロレンゾの速さの理由は、125cc、250ccで培ってきたコーナーリングスピードにある。大きなライン取りと深いバンク角の典型的な小排気量の乗り方だが、それは現在のモトGPに求められるものだ。2ストローク500cc、4ストローク990cc時代は、ビッグパワーを上手く使うためのライディングスタイルとテクニックが必要だったが、電子制御の進化が大きな変化を生んだ。ストーナー、ペドロサに続き、ロレンゾもその流れに乗ったライダーとなる。

 世代交代の波は、型破りのスターを誕生させた。ロレンゾは、ストーナーやペドロサとは完全に一線を画する悪役路線である。速いからこその人気だが、ダメなときのしっぺ返しは強烈なはず。そうならないよう結果を残し続けるのが、彼を駆り立てる原動力なのかもしれない。

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