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石川遼が作り出すアウェーの感覚。
~必要なのは“スターの敵役”~ 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2010/01/12 06:00

石川遼が作り出すアウェーの感覚。~必要なのは“スターの敵役”~<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

1億8352万円を獲得し、18歳80日で史上最年少賞金王となった石川人気は上昇する一方だ

 石川遼が出現して、男子トーナメントのギャラリー数が急増した。

 2007年の男子ツアーの全試合入場者数は、40万4096人(主催者発表)だった。石川遼がプロに転向した'08年は、10万人以上増えて52万人を突破。さらに'09年は、約6万6000人増の58万6850人となった。

 特に昨年は、悪天候で初日が中止など、条件の悪い大会が4試合あったにもかかわらず、トーナメントに足を運ぶギャラリーが圧倒的に増えている。

若きスターとラウンドを回る選手は「アウェーの感覚」。

 そんな中で、これまで見たこともない光景がいくつかあった。石川遼が試合後の長い記者会見を終えてクラブハウスまで向かう道すがら、まだファンが待ち構えていて、拍手と声援を送る。

「遼ク~ン。お疲れさま~」

 また、ギャラリー同士の諍いもある。ギャラリー整理係に聞いた話だが、男性ギャラリーと女性ギャラリーが、胸ぐらを掴んで喧嘩していたこともあったという。

 石川遼や池田勇太など、若いスター性のある選手たちが、日本の男子トーナメントをけん引していることは間違いない。前年の賞金王だった片山晋呉、2位の矢野東たちは、どこにいってしまったのだろうと思えるほどだ。

 石川遼が優勝争いをしている時、その同じ組で戦う選手たちは「アウェーの感覚」だという関係者がいた。

 かつてはゴルフが好きで観戦するギャラリーで埋め尽くされた大会も、いまは逆にアイドルを応援する感覚で見に来るファンの集団というのが現状である。

日本ゴルフ界に必要なのは石川遼をねじ伏せる敵役!?

 そこで思い出すのは、1960年代に登場したアーノルド・パーマーである。どこか母性本能をくすぐり、危険を顧みずにチャレンジする姿が、老若男女を問わず人気を集めた。

 パーマーの応援団は『アーニーズ・アーミー(パーマー親衛隊)』と呼ばれ、グッズも飛ぶように売れた。

 当時、ジャック・ニクラスは、そんなアウェーの中で戦い、パーマーの敵役として登場した経緯がある。しかし、そのふたりのライバルがゴルフを世界に広めたともいえるのも確かだ。

 日本でもアウェー状態の中で、その力量を発揮できる敵役が出現してこそ、真のゴルフファンが増えるのではないか。

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