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東アジア競技大会の、存在意義はどこに。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2005/11/24 00:00

 日本が獲得したメダルは金46、銀56、銅77の計179個。もしこれが五輪だったら大騒ぎだが、残念ながら舞台は東アジア競技大会だ。10月29日から11月6日までマカオで行われた東アジア大会には、日本、中国、韓国など9カ国・地域が参加し、陸上や水泳など17競技235種目で熱戦を繰り広げた。有力選手が参加しなかったこともあって日本のメディアはあまり関心を示さなかったが、'08年に北京五輪を控えた中国は、五輪組織委員会の幹部が多数現地入りするなど、五輪のリハーサルと位置づけて国を挙げて取り組んだ。その意味では今回の大会は「成功」と言えるが、大会自体の将来を考えると、残念ながら心配の種は尽きない。

 東アジア大会は、'91年に日本オリンピック委員会(JOC)が各国に呼びかけ、'93年、第1回大会が中国・上海で開催された。東南アジアや南アジア、西アジアなどでは以前から域内交流が盛んで、総合競技大会も開催されていた。だが、東アジアでは政治的な対立や冷戦の影響もあってなかなか実現しなかった。そこで冷戦が終結した'90年代に入り、東アジアでも総合大会を開催しようという気運が高まったのだ。“東アジアのスポーツ交流を盛んにして競技力のレベルアップを図り、同時に地域内の結束を強める”ことを目的に4年に1回開催され、第2回大会は'97年に釜山で、第3回大会は'01年に大阪で開催された。

 だが設立当初の目的意識は回を重ねるごとに薄れ、今では各国のトップ選手はほとんど参加しなくなってしまった。4年に1度の五輪の中間年には本物のアジア大会があり、競技別の世界選手権も頻繁に行われている。五輪の翌年に開催される東アジア大会は日程的にも無理があり、やむなくJOCは今回、'09年の香港大会からジュニアの大会に変更することを各国に提案した。名よりも実をとったこの判断は評価すべきだが、ジュニアの大会だと国や地域によっては今までのような政府の支援が得られないことも考えられ、先行きの不透明感はぬぐえない。設立理念は素晴らしいものだけに、このまま終わらせるのはもったいない。ジュニアの大会としてどう発展させていくのか。今こそ、日本がリーダーシップを発揮すべき時ではないだろうか。

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