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223三振のレイノルズが歩む
大打者への道。 

text by

津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2009/11/09 06:00

223三振のレイノルズが歩む大打者への道。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 MVPやサイ・ヤング賞の発表が間近に迫っているが、それとはまったく逆の意味で今シーズン強烈なインパクトを残した選手がいる。アリゾナ・ダイヤモンドバックスの三塁手、マーク・レイノルズだ。昨シーズン自らが樹立した204三振のメジャー記録を大幅に更新し、なんと223三振にまで伸ばした。イチローが放った今季のメジャー最多安打は225本であることを考えると、いかに多いか理解できるだろう。

44本塁打&24盗塁の記録が示すレイノルズの才能。

 しかし、ただのブンブン丸ではないところがレイノルズの凄いところだ。「三振の数なんて気にしないさ。チームの勝利のために、僕は何をなすべきか分かっているからね」と言い続けたとおり、メジャー3年目の今年は打撃のあらゆるカテゴリーで飛躍的に数字を伸ばした。44本塁打はメジャー全体の4位で、102打点&98得点も上々の出来。特筆すべきは盗塁数も24をマークしたという点だ。今季40本塁打以上で20盗塁以上を記録した選手は、このレイノルズただ一人。パワーとスピードを兼ね備えた選手の評価値“PwrSpd”ではメジャートップに輝いた。

 三振も多いがバッターとしての評価もすこぶる高い――実は近年のメジャーではこんなタイプの選手が増え、ニュージェネレーションとして認められつつある。もちろん今季メジャー最多の47本塁打を打ちながら三振はわずかに64個というプホルス(カージナルス)のような超優等生もいないではないが、45本塁打&186三振のハワード(フィリーズ)、39本塁打&163三振のぺーニャ(レイズ)、38本塁打&177三振のダン(ナショナルズ)、36本塁打&162三振のベイ(Rソックス)など、しっかり踏み込んで強く叩くタイプの本塁打ランキング上位の強打者は、軒並み150三振以上が当たり前。ある程度の三振数はむしろ勲章となっているのだ。

三振ワースト記録更新にも「だから何なの?」。

 ワースト記録を更新するような荒削りな選手が、のちに球界を代表するスラッガーになったケースは枚挙にいとまがない。シーズン終盤、レイノルズが自己の持つシーズン三振記録を更新した際に「だから何なの?」と痛快な名言を吐いたことも、スケールの大きさを十二分に感じさせる。伸び盛りのこの26歳が、タイトルを獲得するような大打者になる日もそう遠くないはずだ。

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