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クロアチア人が恐れる日本代表の意外な長所。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2006/01/26 00:00

 実にやっかいな相手と同組になった。W杯で日本と同じF組に入ったクロアチアには、「ドイツ生まれ」の選手が3人もいる。コバチ兄弟(ベルリン出身)の2人とクラスニッチ(ハンブルク出身)。彼らにとって、ドイツはホーム同然だ。クロアチア代表のキャプテンを務めるニコ・コバチは言う。

 「子供の頃はドイツ代表ファンだったけど(笑)、クロアチアがユーゴから独立して全てが変わった。生まれ育ったこの場所で、力を見せてやろうと思っている」

 FWクラスニッチも同様だ。

 「正直ドイツ語の方が得意だけど、それだけに祖国への憧れが強くなる」

 他にもドイツ生まれではないが、シムニッチやバビッチなどブンデスリーガでプレーする選手も多く、クロアチアには完全に地の利がある。

 こういう相手に日本はどう戦ったらいいのだろう? そのヒントは、ニコ・コバチが語った「日本の長所」についてのコメントに隠されていそうだ。

 「日本の長所は、絶対に諦めないことだ。日本人は90分間だろうが120分間だろうが走り続ける。気持ちが切れないことは、ウチらにとって恐怖だ」

 どこまでもつきまとう──そんな気味の悪さを、クロアチア人は日本に対して感じているのである。

 日本人からすれば、そういう「粘っこさ」が評価されるよりは、中村俊輔や小野伸二のテクニックに注目して欲しいところだ。だが、残念ながらそれは世界で認知されるには至っていない。コンフェデ杯で、ブラジル代表のボランチを務めるゼ・ロベルトが「日本のテクニックは、まだまだブラジルより下。やっかいなのは、ちょこまかした足の速さ」と言ったように、日本の本当の武器は「走力」や「諦めの悪さ」にあるのかもしれない。

 最近の日本サッカーは、足元はブラジル流を好み、頭はヨーロッパ流の戦術を叩き込もうとやっきになってきた。マジメという表現は、現代日本ではあまり評価されない傾向だが、対戦国はそれを嫌だと感じている。ならば利用しない手はない。中国の兵法書にあるように、己のことを知らなければ勝つことはできない。残り5カ月でとことん日本特有の「粘り強さ」を意識しながら、プレーしてはどうだろうか。

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