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跳ね馬完勝につながったアロンソの三重苦。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2006/07/24 00:00

跳ね馬完勝につながったアロンソの三重苦。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 第10戦アメリカGPは、今季初めてフェラーリが1―2フィニッシュを達成した。M・シューマッハーがPP+優勝+最速ラップ、F1ハットトリックとなる今季初めての完勝を決め、NO.2のマッサもしっかり続いたことでフェラーリは18点獲得した。トップを行くルノーとのポイント差も34から26へと8点縮まった。これは'00年からインディアナポリス7戦を全勝していて、このコースを得意とするブリヂストンタイヤが今回も能力を存分に示したと言える。

 M・シューマッハーにとって不運だったのはトヨタのJ・トゥルーリが4位入賞でアロンソを抑えたものの、5位フィニッシュを目前にしていたR・シューマッハーが残り10周の時点でマシントラブル、リタイアしたことだろう。5位、4ポイントに終わったアロンソの得点がもう1つ下がる可能性は大いにあったのだ。それはアロンソが三重苦を背負いながら走っていたからだ。

 第1の“苦”がルノーR26シャシー。明らかにグリップ力が不足気味で、何度かコース上で滑り、はみ出して一巻の終わりになりそうな瞬間があった。特にインディアナポリスのような高速コーナーでリアタイヤが滑るのは非常に危険。さすがに走りも小さくならざるを得ない状況だった。

 第2にカナダから2戦目使用のRS26エンジンだったこと。直線でやや伸びを欠き、フレッシュエンジンを積んだチームメイトのG・フィジケラにも抜かれた。第3はミシュラン勢が一様に苦しんだタイヤとマシンとのマッチング。このシャシー、エンジン、タイヤの“三重苦”がレースを厳しいものにしていた。アロンソのこれほど苦しい走りを見たのは今季初めてだった。

 ドライバーズポイントの差を25から19に縮めたM・シューマッハー。アロンソの独走に待ったをかけた彼の喜びようは尋常ではなく、アメリカのF1ファンたちに表彰台で派手なアクションの大サービス。気さくにサインにも応ずる姿も見た。だが後半戦に入り、残るは8戦。M・シューマッハーとフェラーリはただ勝つのではなく、1―2で最大の得点を挙げるレースが2つは欲しい。次の第11戦、ルノーの母国フランスGP、さらに反撃に出られるか重要なゲームになる。

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