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大本命は不在のまま。混戦となった皐月賞。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

posted2008/04/17 00:00

 スター誕生を待望し続けたまま、いよいよ本番に突入してしまう'08年の牡馬クラシック戦線。函館2歳S(昨年8月5日、函館)から毎日杯(3月29日、阪神)まで、この世代を対象として18個も組まれてきた重賞レース(そのほかに牝馬限定のそれが7個あり)なのに、2勝できた馬がマイネルチャールズ(美浦・稲葉隆一厩舎、父ブライアンズタイム)だけというのだから、まさに異常事態だ。

 この世代の特徴は、いかにも大物然としたパフォーマンスを演じた馬が、その直後のレースで文字通りに馬脚を現してしまうことだ。サダムイダテンがそうだったし、当コラムで「ついに出現!」と断言したサイレントフォースも、全国区に颯爽と名乗りをあげるはずの2戦目で大敗してあっさりと姿を消した。後者はソエが痛みだしたのが原因だそうだが、そもそもの見込み違いだったことも否定できない。

 キングスエンブレム、モンテクリスエスといった光る素材も、出世の階段を登りきるはずの最後の一段を踏み間違えてしまった。素質馬が、その名声を持続できないケースがなんと多かったことだろうか。

 無事に皐月賞のゲートにたどり着けた馬たちにしても、賞金を積み重ねることに四苦八苦して、上昇度という点で魅力を感じさせる馬が残念ながらいない。朝日杯フューチュリティSを勝って最優秀2歳牡馬の座に就きながら、わき目もふらずにNHKマイルCを目指すゴスホークケンが、実は一番強そうに思えるほどなのだ。

 その中で主役視されるのはマイネルチャールズなのだろうが、何度も言うように断然の雰囲気はまったくない。地味だけど、必ず勝負圏内に居る、というのが持ち味の馬だ。

 スプリングSの覇者スマイルジャック(美浦・小桧山悟厩舎、父タニノギムレット)もイメージとしては似たタイプ。崩れないのが持ち味だが、決め手に凄みはない。それはサンデーサイレンス不在の時代の宿命なのかもしれないのだが……。

 ともあれ、皐月賞はすぐそこ。ダービーが待ち遠しくなるような、キラリと光る馬が出現するレースになることを期待したい。

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