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最高年俸のAロッドは、“最高の選手”なのか? 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2007/11/01 00:00

最高年俸のAロッドは、“最高の選手”なのか?<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 今年もワールドシリーズで熱い戦いが繰り広げられている間に、各チームは来シーズンに向けて、本格的な準備に入っている。そこで、注目を集めるのがビッグネームの動向。中でも、熱い視線を浴びているのが、アレックス・ロドリゲス(以下、Aロッド)の去就だ。

 ヤンキースが4年前にレンジャーズから引き継いだ契約は10年で総額2億5200万ドル(約295億円)だが、その契約には7年目のシーズン終了時点でFA資格を選択できる条項がある。Aロッドの代理人、スコット・ボラスはすでに年俸3000万ドル(約35億円)で12年契約の価値あり、とアドバルーンを揚げて各球団の反応を窺っている。

 これに対して、優先的な交渉権を持つヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、「残留交渉が期限までにまとまらない場合は、交渉打ち切りをオーナーに進言する」と、牽制球を投げつける。

 また、カブスなどと争奪戦に参戦が予想されるエンゼルスも「ひとりの選手に2000万ドル以上の年俸を出すつもりはない」と、ジャブをくり出した。

 確かに今年のAロッドは、打率.314、54本塁打、156打点という球史に残る素晴らしい成績を残した。最速で通算500号も達成し、いずれ通算ホームラン記録も更新するといわれる、現代の最強打者ではある。しかし、チームを勝利に導くという価値において、果たして年俸3000万ドルに見合う選手だろうか。答えは『イエス』とはいい難い。

 例えば、巨額契約を交わしたレンジャーズには3年間いたが、レギュラーシーズンの平均勝利数は、前3年の85勝から72勝に減り、しかも3年連続最下位。ヤンキースでの4年間の平均勝利数も、前4年と全く同じ97勝。移籍1年目にリーグ優勝に貢献したが、この3年間は地区シリーズで敗退、通算7安打しか打てず、打点に至ってはわずかに1打点。勝負弱さだけが目につく有様だ。

 ボラス代理人はテレビ視聴率、観客動員のアップに貢献しているとアピールしているが、Aロッドが肝心の勝利の使者になっていないことは明白だ。現在の平均年俸でも4大プロスポーツのトップをいくAロッドが、これ以上のものを要求したら……。どの球場にいってもブーイングが激しくなることは確実だろう。

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