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“ポスト新庄”森本は、兄貴の花道を飾れるか。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byHideki Sugiyama

posted2006/08/03 00:00

“ポスト新庄”森本は、兄貴の花道を飾れるか。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

 パ・リーグの台風の目となっている日本ハムを、1番打者として牽引しているのが森本稀哲だ。

 中学3年の時、走り幅跳びで6m53を記録し、50mは5秒9で走る。身体能力の高さで早くから注目されていたが、プロ8年目の今年までなかなか一軍に定着できずにいた。

 そんな森本に、変化の兆しが見えたのは、新庄剛志が日本球界に復帰した2年前である。もともと森本の名がファンに知られたのは、新庄のかぶり物パフォーマンスに必ず参加していたからだ。しかし、教わったのはファンサービスだけではない。「バックホームの時はベースの右スミを目がけて投げろ」、「フライの距離を測るには帽子のつばを通して見える景色を目安にしろ」といった外野守備のプロフェッショナルの心得を細かく伝授されたのである。

 その兄貴分が、今季限りでの引退を宣言した。選手のなかで一番に聞かされたのも森本だったという。「新庄さんはパフォーマンスばかりが取り上げられるけど、野球のことをあれほど考えている人はいない」

 今季にかける思いが、粗削りと言われたバッティングを変えた。きっかけは、今季からコーチに就任した淡口憲治コーチの一言だった。

「バッティングの時に背中が丸まっていると指摘されたんです。背筋を伸ばしたらボールを待つ余裕ができて、コンパクトに振れるようになった。それまではホームランばかり狙っていましたから」

 打率は3割に迫り、チームも6月末からの11連勝で一気に3強に割って入った。特に森本は「ソフトバンクだけには負けたくない」という思いが強い。帝京(東京)の主将として出場した'98年夏の甲子園。3回戦で浜田(島根)相手にホームランを打ったものの敗れた。その時のピッチャーが現ソフトバンクの和田毅だった。ソフトバンク戦の前には、後輩のダルビッシュ有や八木智哉を連れて決起集会を開くほどだ。

 後半戦に向けてヒルマン監督に伝えた目標は、3強の1番打者たち(西武・赤田、ソフトバンク・大村、ロッテ・西岡)に出塁率で勝つことである。この勝負に勝てれば、当然、チームのプレーオフ進出も見えてくるはずだ。

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