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サッカー強豪国に学ぶ、
監督の補佐役の大切さ。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2007/02/08 00:00

サッカー強豪国に学ぶ、監督の補佐役の大切さ。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

 今年1月に発表された日本代表スタッフを見て、3年後のW杯にむけて一抹の不安を感じた。というのも退任した里内猛フィジカルコーチの後任を置かず、オシム監督が選手の体調管理も兼務することになったからだ。日本サッカー協会は、ドイツW杯のテクニカルレポートで「コンディショニングが失敗だった」と結論づけた。ならば、オシム監督の負担を減らすためにも、専門の知識を持ったプロを雇うべきではないのか。

 他国の代表を見ると、監督を補佐するスタッフの大切さがよくわかる。たとえば、昨年のW杯で3位になったドイツ。クリンスマン監督は、アメリカからフィットネスの専門家を呼び寄せ、ゴムチューブやプラスチックの棒を使った最新の手法で選手の肉体改造を行った。W杯の1年前には、それぞれの弱点を克服するために、個別の指導書を作って配った。W杯で得点王になったクローゼは「これで体の軸が安定するようになった」と感謝している。

 また、オーストラリア・サッカー協会はW杯の2年前からフィジカルコーチ2名をロンドンに住ませて、欧州でプレーする代表選手をケアしていた。彼らは、負傷していたキューウェルとケイヒルのために特別メニューを組んで回復を助けた。この2人がW杯の日本戦に間に合ったのも、ロンドン在住スタッフのサポートのおかげだ。

 ジダンやテュラムといったベテランを多く抱えていたフランスは、リヨンのリーグ5連覇に貢献した名物フィジカルコーチをW杯直前にチームに加えた。

 各国が力を入れているのは、フィットネスの分野だけではない。ヒディンクはロシア代表の監督に就任したとき、アトランタ五輪で男子バレーの監督として金メダルを獲得したアルベルダを、代表のテクニカルディレクターに抜擢した。アルベルダはシドニー五輪では、オランダ五輪協会のトップに立ち、新記録となる25個のメダル獲得を達成。チーム運営のプロを、ヒディンクは必要としたのだ。

 フィットネスの専門家をアメリカから招聘し、欧州に日本人選手をケアするためのフィジカルコーチを常駐させ、代表のトップにチーム運営のプロを置く。それくらいの野心とアイデアに溢れた策を、日本代表は実施してもいいと思う。

■関連コラム► クリンスマン監督がドイツに導入した改革とは。 (2005年7月7日)
► ピッチの外で続けた戦いの集大成。 (2004年11月18日)

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