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ワンメイク化から3年、F・ニッポンの岐路。 

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大串信

大串信Makoto Ogushi

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posted2004/08/12 00:00

 TV局制作担当の発案で、アイドルタレントを起用しアテネ五輪バレーボール最終予選を演出したことについて賛否両論が沸き上がったようだが、同様の発想に基づく演出戦略は、奇しくも同じTV局出身の方々によって10年も前から全日本選手権フォーミュラ・ニッポンを舞台に繰り広げられている。

 TV局からやってきた方が社長となりF・ニッポン運営団体、JRP(日本レースプロモーション)が動き出して9年目、事実上のワンメイク化が行われて3年が経つ。その功罪について意見は分かれるものの、観客動員を含む商業的側面を見る限り、決して期待されただけの成功は認められない。JRPがF・ニッポンを引き継いだせいなのか、日本の景気が下降したせいなのか、興行としての現状は寒々しくなってしまった。しかし一方、ワンメイク化なしにこの不況を乗り越えてカテゴリーが存続し得たかどうかは怪しい。わたし個人は、レース自体はおもしろくなったと喜んでいるし、観客動員減少もここへきて底を打ち、少なくともスタンド席の見栄えは良くなったように感じもしている。

 実は今シーズン、事実上使用車両を統一する、いわゆるワンメイク化を定めた現行規定の3年目で、規定見直しの節目にあたる。この3年間をどう総括するにせよ、来季の国内トップフォーミュラカーレースをどういう形で開催するか、シャシーやタイヤに関するワンメイク制を解くのかどうかを考えなければならない。だが、すでにシーズン折り返し点を迎え来季に向けて具体的な準備を始めなければいけない時期であるはずなのに、動きは鈍い。TV局からやってきた社長が、果たしてこの危機をどう受け止めていらっしゃるのか。

 まさかスポーツイベントを単なる素材として消費するつもりではあるまいなと、歌って踊るバレーボールショーを横目で見ながら心配だ。TV屋さんにまかせたのがそもそもの失敗、という陰口は年々大きくなっている。そりゃそうだ。TV屋さんは今ここにあるものをその場で飾り立てて見せるのが仕事で、それ以外の領域には興味はないはずなのだ。

 この原稿が読者の目に触れる頃には、そのF・ニッポンの行方に大きな動きがありそうだ。改革の瀬戸際に立たされているのはなにもプロ野球ばかりではない。

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