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ストーナー+ドゥカティが
首位を独走する理由。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2007/07/12 00:00

ストーナー+ドゥカティが首位を独走する理由。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 ドゥカティのC・ストーナーが、8戦5勝と素晴らしいペースで勝ち星を増やしている。今年の開幕戦で初優勝を飾ったばかりの21歳。いまやモトGP界の主役である。

 250cc時代から、ストーナーの速さは注目されていた。ホンダのサテライトチームからモトGPにデビューを飾った昨年も、彼の速さは高く評価された。しかし、ドゥカティ1年目のシーズンで、ここまでの快進撃を予想することは出来なかった。

 開幕戦カタール、第4戦中国、第7戦カタルニアでは、天才V・ロッシとのバトルを制した。第3戦トルコと第8戦ドニントンでは、ロッシが優勝戦線から脱落したことで独走勝利を飾った。ストーナーは、「チャンピオンシップがこれから先どうなろうと、今年は、ここまでの成績で自分は満足できる」と謙虚にコメントしている。しかし、チャンピオン候補筆頭となり、注目は高くなるばかりだ。

 ストーナーの強さの要因は、“勝つための条件が揃った”ことに尽きる。これまでの彼は、速いけれどコーナーリングスピードが高すぎるために転倒の多い選手だった。それが、ドゥカティとブリヂストン(BS)という、彼の走りに合ったパッケージを手に入れたことで豹変した。

 ドゥカティはクラストップの馬力を誇り、車体は安定性を生むために鈍感なハンドリングにしていると言われる。一方BSはフロントタイヤのグリップの高さに特に定評がある。この組み合わせが、転倒リスクの大きい危うい走りを、速くて転ばない走りに生まれ変わらせ、彼本来の速さを最大限に生かせるようになったようだ。

 今年からモトGPクラスは、エンジンの排気量が800ccへ縮小され、燃料タンクの容量も小さくなった。さらにタイヤの本数制限も実施され、バイクメーカー、タイヤメーカーとも、その戦いは厳しさを増すばかりだ。こうした制約によって、「人間より先にマシンの限界が来る」と語る選手は多く、レースにおけるハードの比重が従来より大きくなっていることは明白だ。

 ストーナーの速さを支えるドゥカティとBSのパフォーマンス。“勝つための条件が揃った”ストーナーの活躍は、モトGP新時代の象徴である。

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