SCORE CARDBACK NUMBER

東京への五輪招致、1次は1位通過も勝算は? 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

photograph by

posted2008/06/26 00:00

 6月4日の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で2016年夏季五輪開催地の第1次選考が行われ、'64年以来2度目の招致を目指す東京が総合評価1位で通過。2位マドリード(スペイン)、3位シカゴ(米国)、5位リオデジャネイロ(ブラジル)=4位のドーハは10月開催案のため落選=も順当に来年10月の最終選考へ進んだ。

 東京が評価された最大の理由は「世界一コンパクトな五輪」案で、中央区晴海に新設予定の五輪スタジアムを中心に、半径8km以内にほとんどの会場を収容するという計画が、ミシガン湖沿いの4つの会場群を高速道路で結ぶシカゴや全会場の3分の2を選手村から15km以内に配置したマドリードを上回った。IOCの評価を受けて会見した東京オリンピック招致委員会の河野一郎事務総長は「テクニカルな点が評価されたのはうれしい」と胸を張ったが、40年以上前とはいえ、過去に五輪を開催した実績のある東京が施設などのハード面で優れているのは当たり前の話で、今後の戦いはソフト面での評価が重要となってくる。一つの指標になるのが市民の支持率だが、IOCが独自に実施した世論調査ではマドリード90%、リオ77%、シカゴ74%なのに対し、東京は59%と圧倒的に低い。都民の中には反対意見も多く、今の時点で五輪招致への熱意が都民全体に広がっているとは思えない。

 IOC内部には米国、欧州、アジアでの開催を順番で回す暗黙の了解があると言われ、今回は'96年のアトランタ大会以来開催がない米国が有利と見られている。北京五輪の翌年に最終選考が行われるという日程は、それだけで日本にとってはハンデと言っていい。そんな逆風の中で招致争いを勝ち抜くためには、東京だけの論理ではなく、アジア全体、世界全体を視野に入れた上で東京開催の意義を強調しなければならないはずなのだが、今のところその姿勢は見られない。

 2012年の開催地に決まったロンドンの第1次選考での順位は、シカゴと同じ3位だった。戦いはまだ始まったばかり。過去に名古屋、大阪と2度の落選を経験している日本オリンピック委員会(JOC)も「今回は書類審査なので通過して当然。これからが本当の勝負」(川杉事務局長)と浮かれた様子はなかった。

ページトップ