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自主トレで熱視線を浴びた城島の奮起。 

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津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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posted2008/02/14 00:00

 いい光景を目の当たりにして、思わず頬が緩んだ。1月9日から24日まで佐世保で行われたマリナーズ・城島健司捕手の自主トレでのことだった。

 福岡ソフトバンクの馬原や横浜ベイスターズの寺原ら、城島を慕う8名のメンバーに加えて、今年から志願参加したハタチの若者の姿がそこにあった。埼玉西武ライオンズの銀仁朗捕手。「高校時代からずっと城島さんのことが好きでした。打てるキャッチャーだし、何より表情が好きやったんですよね、強い表情が」。初めは遠慮気味だった銀仁朗を、キャッチボールやウェイトの相手に城島自らが指名。呼称も「銀ちゃん」から、間もなく「銀!」に。すっかり弟分になった。

 自主トレ期間中には、城島が打撃の師と仰ぐ北信越BCリーグ・石川ミリオンスターズの金森栄治監督も参加。昼食時の野球談義で「銀! いいバッターはど真ん中に呼び込める。ステーキも外の脂身より真ん中が美味しいやろ?」と先輩風を吹かす城島に、「オマエも若い頃は、脂にばっかり手を出してたろ(笑)」と金森が突っ込む場面も。その夜、宿舎前の駐車場の一角で、バットを握り締めた銀仁朗が真剣な眼差しで金森の指導を受ける姿があった。まさに城島を介して生まれた縁。所属チームや世代を越えて技術とハートが受け継がれるのも自主トレならではの光景だった。

 「あんなに熱い視線を浴びることがあまりないので、ものすごく恥ずかしくなりましたね。でも自分も工藤(公康)さんや武田(一浩)さんをああいう目で見ていたんでしょうから、彼の前で格好悪い姿は見せられません。そういう意味でもこの自主トレで自分自身を追い込めているし、僕にとっても大事な時間ですよ」と城島は言う。すっかり心酔した銀仁朗は「今年は僕にとって勝負の年です。せっかく自主トレに呼んでもらっていい経験ができたから、必ず活かして結果を残したい」と目を輝かせた。

 城島にとっても今年は勝負の年。海を渡って3年目、契約最終年でもある。盗塁阻止率と守備率でメジャー捕手トップになった、昨年以上の活躍を期待されている。変貌を遂げつつあるマリナーズを、扇の要として今年こそプレーオフに導くことができるか。太平洋の向こう日本から、銀仁朗も熱い視線を注いでいる。

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