SCORE CARDBACK NUMBER

宝塚記念に求められる抜本的な改革とは。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byShigeyuki Nakao

posted2004/07/01 00:00

宝塚記念に求められる抜本的な改革とは。<Number Web> photograph by Shigeyuki Nakao

 ダンスインザムード(美浦・藤澤和雄厩舎、牝3歳)の挑戦が電撃的に決まった、アメリカンオークス(7月3日、米国ハリウッドパーク競馬場、芝2000m、G1)というレース。正直に申し上げて筆者の知識になかったので調べてみた。一昨年に創設されたばかりで、過去2回はノングレードで行なわれており、今年から一足飛びにG1に格付け変更されていたのだ。

 アメリカ競馬はダート主体だけに、芝の、しかも3歳牝馬限定のビッグレースなどというものはほとんど用意されていなかった。芝が主流のヨーロッパに視野を広げても、意外なことに「3歳牝馬限定」のキーワードにマッチするものは著しく不足しており、そこに着目したハリウッドパーク競馬場がG1昇格をハナから念頭に置いたうえで創設したのがこのレース。やはり、知らなかったではすまされるものではない。米国競馬が得意とするプロデュースの力に、またしても唸らされてしまった。

 昨年も1着45万ドルという破格の賞金に誘われてヨーロッパから有力馬が参戦していた。今年はさらなるスケールアップを狙って日本にも誘致の手を広げてきたもののようだ。そういった事情を全て承知して、誘いに二つ返事で乗ったのが、藤澤和雄調教師と社台グループの見識の高さ。今後は世界中のエリート3歳牝馬が目標とするかもしれない将来性の高いレースなのだから、武豊騎手が「全米をビックリさせたい」と張り切っている理由が理解できる。また、武豊騎手は勝てば記念すべき海外100勝目がG1ということにもなる。吉報が今から待ち遠しい。

 宝塚記念(6月27日、阪神、芝2200m、G1)は、ノンタイトルのリンカーン(栗東・音無秀孝厩舎、牡4歳)がファン投票の第1位に推された。実質2位のゼンノロブロイ(美浦・藤澤和雄厩舎、牡4歳)もG1未勝利馬なのだから、「春のグランプリ」とは名ばかりで、慢性的な盛り上がり不足を否定できない。昨年、皐月賞とダービーを勝って、ここに勇気ある挑戦をしたネオユニヴァース(栗東・瀬戸口勉厩舎、牡4歳、今回はファン投票2位)は、当時の無理が祟った形で、ついには屈腱炎の難病に倒れてしまった。札幌記念あたりにその役割を移譲するなど、抜本的なプロデュースが必要なのではないか。

ページトップ