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人材難とは言わせない。日本の若きホープたち。 

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2007/02/08 00:00

 人材難がいわれて久しい日本ボクシング界だが、これから活躍しそうなホープを厳選してご紹介したい。

 マラソンレースに例えれば集団から飛び出しトップを独走するのが、22戦全勝13KOのホルヘ・リナレス(21)。17歳でベネズエラから来日し、帝拳ジム入り。

 プロ転向前から自国で「ゴールデンボーイ」と期待された天才少年は4年を超す東京暮らしですっかり逞しくなった。敏捷さとカウンターの鋭さ抜群の教則本通りの正統ボクシング。すでにWBA世界フェザー級2位にランクされ、時間の問題となった王座挑戦は、もし勝てなければ番狂わせといわれるだろう。

 ホープ群の第2集団は、アマの実績を持つ選手がほとんど。リナレスの同僚、粟生隆寛(22)は、13勝8KO不敗。デビュー時は「西の亀田、東の粟生」と比較されたが、ジムの方針でじっくり醸成時間をかけ、ようやく3月の日本タイトル挑戦に漕ぎ着けた。「元・アマ高校6冠」の看板も「王者」へ書き換えどきだ。

 拓大在学時に国体王者になった八重樫東(23)は、粟生とは正反対。プロ5戦目で東洋太平洋ミニマム級王座を獲得し、次の7戦目でイーグル京和のWBC王座に挑み、国内最短記録を狙う。スパーでは世界王者新井田豊と互角に近い。6勝中5KOを生んだ右強打に、大橋秀行会長はジム2人目の王者誕生の夢を託す。

 日本フライ級1位は東農大のキャプテンからプロに転じた清水智信(25)。2戦目で無名のタイ選手に倒され、プロのきつい洗礼も受けたが、その後は順調で、10勝4KO1敗。攻防に巧みなアウトボクシングには、力強さも出てきた。

 地方ジムには時にダイヤの原石のような魅力的な逸材が現れる。山口県周南市の風変わりなリング名を持つ選手に注目したい。青空西田(25)。12月の後楽園ホール初登場では、不敗の中真光石を右カウンター一発で眠らせ、関東のファン、関係者を瞠目させた。試合の誘いに「子供が生まれたばかりなので、しばらくやらない」と断った。プロ意識が足りないといえばそれまでだが、家族・生活を犠牲にすることなくマイ・ペースで戦い続けるところにしたたかさを感じる。

 以上挙げた5選手、目指すは世界の頂点だろうが、それとは別にボクシング人気が盛り上がるような試合を期待したい。

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