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若手日本人力士を
育成するための積極策を。
~相撲人気復活の切り札とは?~ 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

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photograph byKYODO

posted2010/01/14 06:00

若手日本人力士を育成するための積極策を。~相撲人気復活の切り札とは?~<Number Web> photograph by KYODO

名古屋場所で朝青龍(左)を破った稀勢の里。以降の2場所は負け越し、伸び悩みを見せる

 政界の大激変とは裏腹に、機は熟していたにもかかわらず、元の木阿弥に戻った感のある昨年の大相撲界。先場所は記録尽くめの場所となったが、残念ながら会場の空席ぶりは目を覆うばかり。昨年初頭に「相撲界の人気復活には日本人力士の活躍あるのみ」とエールを送ったが、期待は裏切られている。自らの時代を築いた白鵬、引退の窮地から甦った朝青龍。もはや両横綱頼みの集客が限界を迎えつつある中、協会に次なる手は果たしてあるのだろうか。

期待の「稀勢の里・琴奨菊・豪栄道」はいまだ殻を破れず。

 今年の大相撲も厳しいと言わざるを得ないが、私は「若手日本人力士の“核”の育成」を最重要課題と考える。

 日馬富士が大関に昇進し、大関で初優勝も達成。把瑠都が大関への足がかりを作りながら三役に定着。鶴竜や栃ノ心も地力をつけて急成長。両横綱の胸を借り、昨年も何人かが頭角を現したが、そこに日本人力士の名はない。自他共に認める有望日本人力士トリオ「稀勢の里・琴奨菊・豪栄道」はその殻を破ることが出来なかった。3力士の師匠である鳴戸親方、佐渡ケ嶽親方、境川親方の熱心な指導は有名で、各部屋の稽古は質量共に角界トップクラス。にもかかわらずなぜか結果は伴っていない状況だ。

部屋の枠を越えて、今こそ協会あげての日本人有望株の育成を。

 私は協会あげての育成計画を提案したい。関脇以下の、有望な日本人力士を5人ほど選抜し、徹底的な猛稽古を行なって大関へと育て上げる。相撲界では部屋単位の稽古が基本であるが、部屋の枠を離れて稽古は連日国技館とする。短期的な合宿も繰り返し、精神的な逞しさを養いつつ、相撲道についても考えさせる。相撲道の担い手としての自信と誇りをもった、真の看板力士を生み出すための総合指導体制である。

 鬼教官(親方衆)が見守る中、荒稽古の師範代を務めるのは、もちろん白鵬と朝青龍だ。次代を担う若手を育てるという重責が、大横綱にはある。既にその域に達した今の両横綱に強さと技の極意を、言葉ではなくその身をもって余すところなく伝授して欲しい。今の場所前の両横綱の出稽古は、自分の調整が主たる目的だが、2人には相撲界の未来のため、是非とも一肌脱いで欲しい。

 以上、勝手気ままな妄想を述べたが、満員御礼の垂れ幕が恒常的に下りるのを願うばかりである。

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