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絶好調の中野真矢、今年こそは勝負の年。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2006/04/06 00:00

絶好調の中野真矢、今年こそは勝負の年。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 「勝てないことに慣れるのが怖い。一日も早くこの状況から抜け出したいです」と語っていた中野真矢に、大きな転機が訪れようとしている。今オフの合同テストで、トップタイムが実に3回。2年前、GPに復活して間もないカワサキに移籍したとき、「3年目に結果を残したい。3年目は勝負のシーズン」と語っていたが、その言葉通りチャンスが到来した。

 今年はエンジンも車体も大きく変わった。一昨年までのエンジンは、スーパーバイクの延長線上のものだった。それが去年からやっとMotoGP用に作ったエンジンとなり、さらに1年間コツコツとエンジンと車体のデーターを積み上げてきた。それを元に改良されたマシンが2006年型ZX―RRであり、このオフのテストで、素晴らしいリザルトを残すことに成功した。

 MotoGPクラスは、どこかF1を彷彿させる状況だ。500cc時代のように、誰にでも勝てるチャンスがあるという時代ではない。勝てるバイク、勝てるタイヤ。この二つを手に入れて初めて優勝争いに絡むことができる。昨シーズン優勝したのは、3強と呼ばれるヤマハ、ホンダ、ドゥカティの3メーカーだけ。カワサキのエース・中野は、悔しいシーズンを過ごしていた。

 「初テストからポテンシャルの高さを感じました。それがオフのテストで、どんどん熟成してきた。加速もトップスピードも3強にひけを取らない。ブリヂストンのタイヤもいい。冷静に見れば、まだまだ足りない部分はあるけれど、かなりのレベルに来ています」と自信を覗かせ、そして「あとは人間がどこまで頑張れるかですね」と続けた。

 この2年、今の戦える状況を待つかのように、MotoGPマシンを完璧に乗りこなすのに足りなかった「体力」を補ってきた。「生活のすべてがMotoGPで勝つため」と言う中野。「以前に比べて、ほとんど汗をかかなくなった」と、スタッフもその成果に目を見張る。

 250cc時代は、常にチャンピオン争いに加わった。それから6年。勝負できるマシンと肉体を得た中野が、今季は台風の目になる。MotoGP初優勝のチャンスは、いよいよ現実味を帯びてきたようだ。

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