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大きくなった新型で、ホンダの巻き返しなるか。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2007/12/28 00:00

大きくなった新型で、ホンダの巻き返しなるか。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 '07年、ホンダがモトGPクラスに投入したRC212Vは、斬新なフォルムで注目を集めた。しかし、小さく作りすぎた故の乗り難さやエンジンパワー不足などで苦戦し、急ピッチで改良が施された。中盤戦以降は'07年チャンピオンを獲得したドゥカティと対等、コースによってはドゥカティを凌ぐ戦闘力を身につけ、終盤戦には5戦連続PPを記録し、最終戦バレンシアGPではD・ペドロサが圧勝する速さを見せつけた。

 そのホンダが、最終戦が終わったばかりのバレンシアGP後のテストに、フルモデルチェンジされたニューマシンを投入して話題を集めた。新型は'07年型の反省からマフラーが最初からオーソドックスなタイプとなり、車体もライバルメーカーと同等の大きさになった。エンジンも、スズキ、カワサキに続き、圧縮空気を採用し、より高回転が可能なニューマチックバルブを採用した。

 '06年のチャンピオンで、'07年型のマシンとの相性が合わず'07年総合8位と低迷したヘイデンは、「とても乗りやすくなった。エンジンもパワフルだ」と、ご満悦。'07年総合2位のペドロサは、「まだ旧型ほど仕上がっていない」と語ったが、ニューマシンに高いポテンシャルを感じた様子で、両選手ともにシェイクダウンから上々のスタートだった。

 ホンダは、990cc時代からニューマチックバルブなどコストの掛かる最新技術を使わずとも勝てるエンジンを造ると言い、それを実現してきた。しかし、800cc時代になってエンジンの高回転化が一気に進み、タイトル奪還に向けてより強力なパワーを搾り出すニューマチックバルブ採用に踏み切った。

 それにしても、シーズン終盤戦に勝てるバイクを手にしながら、必勝を期すワークスチームにフルモデルチェンジのマシンを投入するホンダの力には圧倒されるばかり。'07年の低迷の要因のひとつになったミシュランも、巻き返しに全力を注いでいる。

 マレーシアではヘイデンがトップタイム。'07年最後となったヘレスでも、ペドロサ、ヘイデンともに好調で、ホンダワークスが久しぶりに1、2でテストを締めくくった。屈辱を味わったバイク界の王者の猛反撃。'08年の主役になることは間違いなさそうだ。

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