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ブルズ復活を支える選手補強の秘密。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2005/02/17 00:00

 のっけから私的な話で申し訳ないのだが、今シーズンを前にシカゴからロサンゼルスに引っ越した。シカゴを離れる前、長年お世話になったシカゴ・ブルズのスタッフや番記者たちに「ブルズがプレイオフに出たら取材しに戻ってくるから」と言ったところ、「何年先になるやら」と笑われたものだった。

 それも当然、何しろ昨季のブルズは23勝59敗とプレイオフどころではない低迷チーム。ジョーダン引退後6年のブルズは、2割前後の勝率のシーズンが続く悲惨な状態だった。若くて、才能のある選手たちは揃っていたが、それでも勝てない。長いトンネル抜ける日はまだ先だと、誰もが思っていた。

 今季も開幕から9連敗で、いきなりどん底に落ちた。しかし今季のブルズはいつもと違った。12月にいきなり5連勝。1月にも7連勝後、1つの負けをはさんで5連勝。気づいたら成績はいつの間にか5割を超えていた。連勝中は楽なスケジュールが多かったとは言え、それでもこの時期に成績が5割を超えるのは実にジョーダン時代以来なのだ。

 急躍進の鍵は2年目のカーク・ハインリックとルーキー4人の経歴に隠されている。ハインリックはカンザス大、ベン・ゴードンはコネチカット大、ルオー・デンとクリス・デュホンはデューク大と、いずれもNCAAファイナル4の常連チーム出身。そしてもう一人のルーキー、アンドレ・ノシオニはアテネ五輪金メダルのアルゼンチン代表選手だ。ブルズGMのジョン・パクソンは、勝ち方を知っている選手を意識して集めたのだ。高卒でプロ入りして4年目のフロントライン、エディ・カリーとタイソン・チャンドラーも、彼らとプレーすることで才能を発揮し始めた。

 今のブルズには大黒柱となるスーパースター選手はいない。チームの得点リーダーはハインリックだが、彼の平均得点(15・8点)はリーグ全体では43位にすぎず、4選手が平均12点以上をあげている。スーパースターに頼らずに、チーム全員で攻めて守るスタイルは、まるで大学チームを見ているようでもある。

 1月30日現在の成績は22勝20敗、あと1勝で昨季の勝ち星に並ぶ。そして、イースタン・カンファレンスでの成績は6位。どうやら、4月下旬のシカゴ行き航空券を手配しておいたほうがよさそうだ。

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