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冬の移籍市場、勝ち組は
買い物上手のレンジャーズ。
~ノーラン・ライアン社長、奮闘す~ 

text by

津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2009/12/24 06:00

冬の移籍市場、勝ち組は買い物上手のレンジャーズ。~ノーラン・ライアン社長、奮闘す~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 年末の恒例行事、ウィンターミーティング。今オフのFA市場で目玉だったホリデー(カージナルス)、ラッキー(エンゼルス)、ベイ(レッドソックス)のトップ3の行き先は決まらず、会期中に最も注目を集めたのは、ヤンキース、タイガース、ダイヤモンドバックスの3球団で7選手が動いた三角トレードだった。そんな中で地味だが最も精力的に動いたのがレンジャーズだった。

 ダニエルズGMをして「ここに来る前に比べて、ずいぶん良い編成になった。結果に満足している」と言わしめるほど、着実に来季の足固めをした。これまでは打高投低の粗さが目立つチームだったが、2009年は就任2年目のN・ライアン球団社長の指揮下、投手力を軸として球宴前には地区首位に立ち、5年ぶりの勝ち越しに成功。来季の飛躍に向けて首脳陣が思い描くパズルを完成させるべく、このウィンターミーティングで見事なまでにピースを集めてみせたのだ。

トレードとお買い得選手の獲得・再生でチーム編成は万全。

 まずは先発投手の整備。

 フェルドマン、ホーランド、ハンターら自前で育てた若手が今季後半戦のローテを守りきった。そこで通算155勝の高年俸エース、ミルウッドをオリオールズにあっさり放出。引き換えに3年前に33セーブした元守護神のレイを獲得した。ヒジの手術以降は精彩を欠いていたが、再生可能でブルペンの補強に最適だと踏んだ。

 そしてこのトレードで浮いた資金で、カブスからFAになっていたハーデンを即座に獲得。ミルウッドより7歳も若く、先発1番手を担う実力は十二分にある。近年は故障がちなこともあり、単年750万ドル(約6億6000万円)と比較的お買い得な契約を結ぶことができた。

 さらに懸案事項だった左腕リリーフに関してもスナイダー(オリオールズ)を獲得するなど複数の投手を補完。また右の強打者に関しても、今季まで在籍していたRソックスが高年俸の一部を負担する条件で、ローウェルのトレード獲得に合意。

 これでワシントン監督が来季に向けて掲げていた編成面の課題をほぼクリアすることに成功した。

「我々には潤沢な予算がない。そのなかでプラン通りに計画を実行できた」とダニエルズGM。球団売却も取り沙汰されるほど財政は困難だが、実に11年ぶりとなるプレーオフ進出へ期待が膨らむ。

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