SCORE CARDBACK NUMBER

フライ級統一マッチと亀田興毅の存在感。 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

PROFILE

posted2006/05/08 00:00

 全日本で一番ホットな階級、フライ級でユニークなチャンピオン同士の対決が実現する。東洋太平洋王者小松則幸(27)と、日本王者内藤大助(31)がそれぞれのベルトを懸けて対戦することになった(6月27日・後楽園ホール)。同じ階級には亀田興毅というビッグネームがいるが、2人の対決は亀田に対するデモンストレーションでもある。

 関西が地盤の小松は往年の名選手村田英次郎さんの秘蔵っ子で、旺盛な闘争心と粘り強さが身上のファイター。一方頭脳派のボクサー内藤は、世界初挑戦で初回34秒KO負けというフライ級世界戦史上最短記録に名を残したが、この屈辱をバネに復活。日本王座防衛戦では24秒KO勝ちという全階級を通じて最短日本記録を樹立。自ら「最短男」と称する。

 業界の評価では、現在この階級で最強とみられているのは内藤。だからこそ小松も「一番強い相手とやりたい」とわざわざ内藤を指名したのだ。昨年11月、一度返上した王座を奪回した直後リング上で「この会場にきている内藤さん、僕と対戦しましょう」と呼び掛けた。

 世界挑戦で2度失敗している内藤としては、最後のチャンスをフイにするかもしれない危険を冒したくなかったはずだ。しかしこれまで「亀田君と対戦したい」と公言してきた手前、別な相手から対戦を挑まれて逃げるわけにはいかない。こうして好カードは決まった。

 両陣営が「日本のフライ級最強を決める試合」と強調する裏には、当然亀田への対抗意識もあろう。知名度に関しては今や亀田が全階級を通じてナンバーワン。世界王者でも無冠の亀田に敵わない。記者会見の席で亀田について聞かれると、2人はこう答えたものだ。

 「ようテレビに出ているんで焼きもちもある。それは対戦したいけれど、できへんからあまり話したくない」(小松)

 「亀田君は日本人と一度も対戦していないし、自分の知っている選手ともやっていないので、どれぐらい強いのか、知らないとしかいえない」(内藤)

 言外に「俺たちの方が強い」と主張しているのである。とはいえ、今や世界路線を歩む亀田には、2人は眼中にないだろう。この内藤―小松戦の勝者が亀田と対戦すれば……というのはボクシングファンの空想であっても、現実的ではない。

関連キーワード
内藤大助
亀田興毅

ページトップ