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なぜ勝てないのか?日本選手の奮起を望む。 

text by

大串信

大串信Makoto Ogushi

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posted2006/08/03 00:00

 開幕から連続3戦、雨に見舞われた全日本選手権フォーミュラ・ニッポンだが、第4戦は降雨の予報の中、今年初めてドライコンディションで決勝レースが行われた。しかしその結果は、これまでの3戦と大差はなかった。優勝したのは結局外国選手であるブノワ・トレルイエで、日本選手は彼に歯が立たなかったのだ。

 確かにトレルイエが所属するインパルは、開幕前からトヨタエンジン開発チームとしてテスト走行を重ね、ライバルチームより新しいマシンのセッティングを先行して進めて開幕当初から優位に立っていた。実際、第4戦で2位に入賞した松田次生、3位に続いた本山哲もインパル所属の選手である。とはいえ、今回トレルイエが予選、決勝で見せた速さはこの2人を圧倒していた。表彰台に上がった本山が憮然とした表情を見せていた理由はこのあたりにあっただろう。

 トレルイエは首位に立ちながらまったく力を抜かず限界ギリギリの走りを貫徹した。突進するマシンはコーナーで斜めになり、ときにはダートへタイヤを落とした。それでもトレルイエはアクセルを緩めなかった。現場で観戦したファンは、彼の攻撃的な走りを眺めるだけで入場料の元はとれるだけ興奮し楽しめたと思う。それはそれで良いことだ。だからといって、新生・Fニッポンで開幕から外国選手4連勝というのはいかがなものか。

 雨の中、3戦連続で外国選手が勝ったとき、なぜ雨の中では外国選手が強いのか、と首をひねった。ところが雨が降らなくとも外国選手は強かった。日本選手の活躍によって国内レース界の充実と発展を願う身としては頭を抱えざるをえない状況だ。以前も「全日本選手権」というタイトルが空しくなるほどに外国選手が活躍した時代があったけれども本山哲をはじめ有力若手日本選手が育って流れは変わったかに思えた。だがそれも思いこみに過ぎなかったか。

 今後、ファンの皆さんには日本選手の誰がトレルイエをはじめとする元気の良い今年の外国選手を破るのかを楽しみに観戦していただくしかない。いや、それより日本選手を圧倒する過程で外国選手が見せる限界スレスレの走りそのものを楽しんでいただく方が確実かもしれない。残念だが。

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