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モトGPの低年齢化が
さらに進行する理由。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2008/01/31 00:00

モトGPの低年齢化がさらに進行する理由。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 昨年のモトGPクラスは、デビュー2年目のC・ストーナーがチャンピオンになり、同時にデビューした同い年のD・ペドロサが総合2位になった。

 2ストローク500cc時代は、怪物パワーを乗りこなすのに最低3年はかかるといわれたが、エンジンが4ストロークに代わり、トラクションコントロールなどの電子制御が容易になったことで、若い選手が1年目のシーズンから素晴らしいリザルトを残せるようになった。その結果、ストーナーとペドロサは、わずか2年で最高峰クラスのトップライダーに成長したのだ。

 その要因は、これまでは時間をかけて学ばなくてはいけなかった大排気量車のアクセルコントロールなどを、“制御”という技術が代わりに行なうことにある。加えて、排気量が下げられ、最高馬力が落ちたことで、エンジン特性は一段と扱いやすいものになった。いまや、250ccと同じ乗り方がそのまま最高峰クラスで通用する時代である。

 2人の活躍は世代交代に拍車を掛けた。今年の平均年齢は25歳。4ストロークになって、モトGPクラスのハードルは確実に下がっている。

 今季、デビューするJ・ロレンゾとA・ドヴィツィオーゾも、初ライドから素晴らしい走りを見せている。ストーナーとペドロサもそうだったが、20歳前後でモトGPクラスに挑む彼らのコメントは、「モトGPマシンは思ったより簡単」という点で共通している。それはハードが進化し、ルーキーであっても最初から高いレベルで乗れるマシンになったことの証明でもある。

 2000年代に入ってモトGPクラスは、2ストローク500cc、4ストローク990cc、そして800ccへと目まぐるしく車両規則が変わった。その変化は、あり余るビッグパワーをいかに使いこなすか、というライダーへの依存度を急激に減少させてきた。いまや、リザルトに影響を与える要因のバランスは、コンストラクターの側に大きく傾いている。

 800cc2年目となる2008年。ますます高騰するマシンの開発費と、契約金の安い若手の台頭は無関係ではない。さらに、タイヤ問題、ナイトレースの実施など、これからのモトGPのあり方が問われるシーズンでもある。

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