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助っ人ばかりが目立った
トップリーグ開幕戦。
~“輸入大国”日本ラグビーの課題~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byShinsuke Ida

posted2009/09/23 08:00

助っ人ばかりが目立ったトップリーグ開幕戦。~“輸入大国”日本ラグビーの課題~<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

ブラウンのゲームコントロールが冴え渡り、三洋は24-18で昨季リーグ王者・東芝を撃破

 陣地を進めるキックは、テニスのショットのようにライン際で弾んで白線の外へ転がった。逆回転で蹴り上げたハイパントはゆらゆら揺れて相手を幻惑し、味方側へ弾んだ。昨季のリーグ王者と日本選手権覇者が激突したトップリーグ開幕戦、主役は『キックの魔術師』三洋電機のSOトニー・ブラウンだった。

「バックスピンキックは、風や雨で自然に変化するし、バウンドすれば手前に跳ね返る。でも一番大事なのは、競れるところへ蹴って圧力をかけること。今日はチーム全員がプラン通り圧力をかけ続けたからラスト20分で勝利を掴めた」

 七色のキックで三洋を勝利に導いた34歳の司令塔は淡々と話した。昨年は試合中に背後からタックルを受けて膵臓を損傷。一時は選手生命も危ぶまれながら、見舞いの電話をくれた相手選手に「ゲームの中のことだ。気にしないでくれ」と気遣ったジェントルマンは驚異的に回復。復帰したプレーオフ決勝では東芝に敗れたが、今季は初戦で雪辱した。それでも「あのときは体重が10kg落ちていてパワーがなかった。今は体重は戻ったけど、もっと試合を重ねる必要がある」と冷静に自己観察。開幕戦のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)受賞も頷ける。

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