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W杯には2チームで。JKの決断の行方は? 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byShinsuke Ida

posted2007/06/28 00:00

W杯には2チームで。JKの決断の行方は?<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 すべての試合に勝ちに行くべきか、勝ちを狙える相手に照準を絞るべきか。W杯に臨むラグビー日本代表をめぐる、古くて新しい命題である。

 4年前の豪州W杯で、日本代表は現地のファンから「ブレイブ・ブロッサムズ」と賞賛された。それは、世界ラグビーのビッグネームであるスコットランドとフランスに猛タックルで挑み、肉薄した姿が見る者の胸を打ったからだ。だが日本の日程は試合を重ねるごとに間隔が短くなり、逆に相手は休養十分。フィジーとアメリカに対し、ハンディをはねのけ勝利する力は残っていなかった。

 では、強敵には主力を温存し、勝てそうな相手に戦力を集中すべきだったのか?答えは「否」だろう。フランスやスコットランドと戦うからこそ世界は日本に関心を抱く。決勝ラウンド進出が消えた後で、非トップ国同士の試合で勝利しても、世界に記憶されるのは強豪国に無抵抗で蹂躙される様だけだ。

 だが4年後、ジャパンは新たな難題に直面している。5月のIRB理事会で、'11年大会には'07年大会の各組3位までがシードされ、残りは従来の大陸別ではなく「ワールドトロフィー」なる世界規模の予選で争われることが決定した。現在20のW杯出場国を16に減らす案も浮上し、世界予選は修羅場となること必至。美学を追ってばかりはいられなくなった。

 6月9日の豪州A戦。トンガを破った前戦から先発12人を入れ替え、10対71と大敗した日本代表のカーワンHCは「W杯には2チームを作って臨みたい」と明かした。9月の本大会ではまず豪州と戦い、中3日でフィジーと(相手は初戦)、次は中7日で相手は中4日だが地元のウエールズと、最後は中4日で中8日のカナダと対戦する。この条件下で「全試合に勝ちにいく」ためのカーワンの結論が「2チーム」なのだが……豪州A戦を任された若い15人はナイーブさを露呈。中軸にと期待したアレジと立川剛士も故障で戦列を離れてしまった。

 それでも「4年前とは違う。トップリーグができて日本の選手もタフになり、層も厚くなった」と箕内拓郎主将は言う。W杯に臨む「2チーム」を組むため、追加招集される選手も出てくるはずだ。

 24日のジュニアオールブラックス戦は、現スコッドのサバイバル戦でもある。

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