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ようやくの今季初勝利。ホンダの完全復活なるか? 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2007/08/09 00:00

ようやくの今季初勝利。ホンダの完全復活なるか?<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 最強マシンを常に送りだしてきたホンダが、1988年の開幕6レース連続優勝なしのワースト記録を更新し、今季開幕9連敗という不名誉な記録を打ち立ててしまった。

 しかし、第10戦ドイツGPでD・ペドロサが今季初優勝。昨シーズンのチャンピオンながらどん底にあえいでいたN・ヘイデンも、オランダ、ドイツと2戦連続で表彰台に立ち、シーズン中盤にして復活をアピールした。

 今年からモトGPクラスは排気量が990ccから800ccへ、さらに燃料タンクの容量が22Lから21Lへ縮小された。最高速度が350kmに届こうかという速すぎるマシンにブレーキを掛けるためのルール変更は、絶大な効果を発揮し最高速を10〜15kmほど引き下げた。その一方、馬力が減ったことで乗りやすくなったマシンはコーナリングスピードが向上。あわせてタイヤに優しい特性になったことでラップタイムが短縮された。

 こういう事態を想定していたホンダは、モトGP新時代に向けて、小さくコンパクトなマシンを開発した。しかし、オーソドックスな手法で新ルールに対応したライバルに遅れを取り、序盤戦は散々な結果に終わった。それから必死のリカバリーがスタート。フェアリングの中に納まっていたマフラーがオーソドックスなスタイルになるなど、手堅い手法での改良を加え、ようやくドイツの勝利にこぎつけた。

 今年のホンダの失敗は、モトGPが大きな枠組みの中で新しいことにチャレンジしてきた時代から、厳しい規制の中で、どれだけパフォーマンスを引き出せるかという時代になったことを示唆している。つまり、大きな変化でアドバンテージを築けた時代から、休みなく常に小さな改良が求められる時代になったということだ。これが出来るのは体力のあるワークスチームだけであり、3つのサテライトチームにマシンを提供するホンダにとっては、厳しい時代を迎えたことになる。

 これまでのホンダは、多くのマシンを参戦させながら“常勝”であり続けた。他メーカーには真似できないその体制が、ホンダというメーカーの真価でもあった。ホンダにとって、ワークスだけでなくサテライトチームのリザルト復活が、これからの使命になりそうだ。

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