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TLの外国人枠拡大。その影響はいかに? 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKenji Demura

posted2008/10/09 00:00

TLの外国人枠拡大。その影響はいかに?<Number Web> photograph by Kenji Demura

 「マン・オブ・ザ・マッチって、負けた方から出してもいいんじゃない?」

 9月20日のサントリー対クボタ戦後、プレスルームでそんな声があがった。

 トップリーグでは今季から、全試合でその日の最優秀選手を表彰しているが、ときに勝者よりも輝く敗者がいるものだ。この夜、秩父宮の観衆を魅了したのはクボタのSOシェーン・ドゥラームだった。クボタは前半、一時は19点差をつけられながら、ドゥラームのPGで粘り強く反撃。後半22分には中央付近から 50m近いロングPGを鮮やかに決め、4点差まで肉薄した。最後はサントリーが強力スクラムからSH成田秀悦のトライで決着をつけたが、昨季8位が才能集団に挑んだ姿は見る者を熱くさせた。

 今季、トップリーグは外国人枠を3に拡大し、各チームは競って大物助っ人を獲得。ドゥラームもその1人だが、外国人枠拡大の影響を最も感じるのはディフェンス面だ。3節までの全チーム平均得点は25.5。昨季の23.7から増えているが、トライ数は3.1から2.9に減少。危機察知力の高い外国人選手がピッチに増えた結果か、今季は「あら?」と拍子抜けするような淡泊なトライが少ない気がする。ギリギリの攻防が増え、リーグのレベルが上がるのは嬉しい。だがサッカーでは大物助っ人の増加とともに日本人ストライカーが育たなくなったといわれる。トップリーグの得点ランキング(3節現在)を52点でトップのドゥラーム以下、ヒル(東芝)、ニコラス(サントリー)、ブラウン(三洋)ら、舶来キッカー兼ゲームメーカーが上位6人中5人占めるのはちょっと心配だ。

 一方で興味深い現象も。クボタでは昨季出場1試合だったタックルの職人・FL山口貴豊が開幕から3戦連続先発中だ。近年のFW第3列は大型化が進み、LOからコンバートされる選手も増えている。だが枠が増え、高さのある外国人FWをもう1人投入できる状況が生まれたことで、サイズはなくても一芸に秀でた日本人選手が輝く機会を得たのかもしれない……山口に訊いた。

 「いや、自分ではタックルだけでなく、状況を見極めてプレーできるようになったから使われてると思ってるんですよ……実はそれも、チームの外国人選手に指摘されて勉強したんですが(笑)」

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