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首位ルノーを脅かす、“跳ね馬”完全復活。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2006/05/25 00:00

首位ルノーを脅かす、“跳ね馬”完全復活。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 ヨ―ロッパに戻った途端、M・シューマッハーとフェラーリに強さが甦ってきた。サンマリノGP、ヨーロッパGPと2連勝。どちらも決勝日は10万を越える大観衆で埋め尽くされた。ファン待望の復活である。

 開幕直後、フェラーリは新規定2.4LV8エンジンに問題を抱え、第2戦マレーシアGPでは2台とも予選前に交換せざるを得ない事態に陥った。そのトラブル原因はひた隠しにされたが、ピストンや内部の軸受け部分のパーツではないか、という噂が立った。もし真実ならば材質や設計を変更し、試作対策品の性能をテストで確認してから、ようやく実戦投入ということになる。通常に考えて2カ月、大急ぎでやっても1カ月半はかかるはず。そう思われた。

 マレーシアGPから1カ月余り、4月末サンマリノGPにフェラーリはニューエンジンを持ち込んできた。エンジン部門が“全開”でニューバージョン開発に取り組んできたと思われる。

 フェラーリは間に合わせたのだ。このチームは実はコンサーバティブで、実際に自社テストコースで走らせてからでないと、新しいモノをレースに入れてこない。だからテスト走行日数も多く、日数制限案がライバルチームから出されると昔から猛反対してきた。テスト担当ドライバーを別に2人雇ったのもフェラーリが最初だ。そして最終的にはM・シューマッハーが自分で走って試す。絶対的ナンバーワンの彼がいいと判断してから出してくるのがこのチームのやり方だ。

 甦ったフェラーリを相手にディフェンディングチャンピオンはどうすべきか。F・アロンソとルノーは昨年マクラーレン・メルセデスと争って制覇した。しかし今年の相手は違う。しばしばマクラーレン・チームは速いのにマシン信頼性で劣り、自滅リタイアしてくれた。フェラーリにはそういった脆さはない。

 若いアロンソに“シューマッハー・コンプレックス”はそれほどないものの、彼が辛いのは敵はシューマッハー+F・マッサ2台で攻めてくるところだろう。アロンソと共同戦線を張るべきG・フィジケラがコンスタントに力を発揮してくれないと、1対2の争いに追い込められる。タイトル防衛戦に向けてルノー・チームとしての課題がそこに潜んでいる。

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