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プロ野球騒動に思う。Jだって他人事じゃない! 

text by

杉山茂樹

杉山茂樹Shigeki Sugiyama

PROFILE

posted2004/10/21 00:00

 ライブドアか楽天か。近鉄の消滅に伴う新規参入球団枠をめぐり、プロ野球界は揺れている。選手会の言い分が通ったことは至極当然ながら、万々歳の結論が導き出されるわけではないだろう。そして、サッカー界でも、似たようなケースが起きる可能性はあるのだ。

 新規参入する彼らはどんな野球球団を作りたいのか? 仙台を舞台に何をしたいのか?聞こえてくるのが「華のある監督を!」程度ではお粗末だ。企業の論理丸出しで、根本的な問題は、何一つ解決されていない。

 識者からは「プロ野球もJリーグを見習え」という声が聞かれる。「チーム名には企業名ではなく、地域名を」なんて意見を耳にすると、サッカー好きの鼻は少しばかり高くなる。野球はだからダメなんだよと言いたくなるが、例えば欧州から日本の状況を眺めると、どっちもどっちにしか映らない。

 サッカー界だってずいぶん奇妙だ。まず「親会社」という表現があること自体が間違いだ。本来は「メインスポンサー(支援者)」でなければいけないし、同様に「(親会社から出向の)球団社長」という表現も「クラブの会長」とか、ぎりぎり「クラブ会社社長」にしないと、“独立したクラブ”と見なすわけにはいかない。

 企業の福利厚生部門のチームによって結成されたサッカー「日本リーグ」が、ある時から突然、欧州型を目指すクラブが集まるプロリーグに変身した経緯を考えれば、辻褄の合わない点があるのは致し方ない。とはいえJリーグ発足から11年経ったわけだ。5年先、最悪でも10年先には、親会社や球団社長を撤廃する方向で行かないと、欧州型のスポーツクラブ社会は根付かない。スポーツクラブは愛好者が結成した団体だという認識を定着させないと、企業の従属物からは脱し得ないのだ。

 親会社の業績や世の中の景気によって、チームの存続が左右される姿は異常というべきだ。成立の過程が逆なのである。まず愛好者がいて、アマチュアチームが誕生し、会員数とスポンサーがあるレベルに達した段階でプロへと移行する。この手順でいかない限り、「横浜フリューゲルス」の例は繰り返される。“アマチュアリーグに降格”はあっても“消滅”はない社会。クラブの基本はアマチュアから。でないと、スポーツは独立した文化として繁栄しない。

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